過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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3:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:27:43.86 ID:DVgSD76f0
 部屋に入ると、高い天井と、柔らかな光と、たくさんの人たち。
 その瞬間、空気が重みをもって、ボクを押し潰そうと迫ってくるよう。
 ボクと同じ立場の人なら、この感じ、絶対に分かるはず。
 おおげさな言い方だけど、今日のボクは主役のひとりだ。
 ボクに向けられる視線には、何かしらの感情が込められてる。
 良いものであれ、悪いものであれ、それは重圧となってボクを包み込む。
 何度味わっても慣れない。
 自分が主役になるたびに、ボクの前進を拒むように体が重くなる。
 ボクは、アイドルである以前に、単なるひとりの人間で。
 だから。
 吹き飛ばされそうになる。
 いつも。
 だけど、こういうとき、一番に走り寄ってきてくれる人がいる。
 ボクよりずっと背が高くて、年もひとまわりほど違ってて。
 ボクのことを誰より信じてくれるひと。
「どうですか、今日のボクは」
 微笑み、自分を誇示するみたいに胸を張る。
「可愛くて、綺麗だ。よく似合ってる」
 照れもなく、ひどく直截で、だけど力強い。
 その言葉は魔法。
「当たり前です。今日の撮影も完璧に決めてみせますから、見てて下さい!」
 言葉は、魔法で、力だ。
 ほら、体が軽い。
 世界でいちばんカワイイみたい。


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