過去ログ - 【モバマス】「幸子、俺はお前のプロデューサーじゃなくなる」
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7:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/04(水) 21:32:01.32 ID:DVgSD76f0
 ボクは世界で一番カワイクなんてなくて。
 世界で一番綺麗なんてことはもちろんなくて。
 知ってる。
 でも。
 彼が信じる輿水幸子は、きっと、世界で一番かわいくて、きれいだ。
 なら、行こうと決めた。
 彼と一緒なら、立ちはだかるあらゆる困難は、ボクにとって困難たりえない。
 だって、彼といるとき、ボクは世界で一番かわいくて、きれいで、そして無敵だ。
 ボクはもう、前で踊るトレーナーさんを見ていない。周囲の子たちだって見ていない。
 音の刃に切り裂かれ、血を流す自分の幻を思いながら、踊り狂う。
 汗がぼたぼたとこぼれ落ちる。無茶なステップのせいで足の裏の皮だってずる剥けだ。
 手足の動きだって滅茶苦茶だ。周りの子に当たらないのが不思議なぐらい。
 これが彼との旅の終わりだと思うと切なさに胸が締めつけられた。
 最近、少しは追いつけたかなって思ってた。
 追いついて、今度は隣を歩きたいと思ってた。
 手を引かれてばかりだと、いつまでも対等になれないから。
 それなのに、どうして、今なの。
 音楽はもう止まっている。知っていたけど、止まらない、止まれない。
 ボクのそばにいてくれないなら、どうして、ボクに夢を見せたんですか。
 貴方がいないボクは、もう、どこにも行けない。
 糸が切れたように動きが止まる。
 スタジオがしんと静まり返る。
 うつむいたボクの前の床に、ぽつぽつと、しずくが落ちる。
 それが涙なのか汗なのか、ボクにだって分からない。


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