過去ログ - 七海千秋「夜を視るもの、セブンス・シー」
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1:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 11:55:36.14 ID:s9UOHUP9o

罪木蜜柑「カムクライズルは笑わない」の続きになります。

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2:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 11:58:56.51 ID:s9UOHUP9o

――警告、警告。

 第三階層までの敵ウイルスの侵入を確認。管理者権限をSEVENTH/SEAへ譲渡。状況を最上級管理者へ通達。

以下略



3:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 11:59:26.32 ID:s9UOHUP9o

「ねえ、だいじょうぶ?」

 目を開けると、真っ青な空と白い雲。そして、心配そうにこちらを覗きこんでいる男。

以下略



4:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 11:59:58.27 ID:s9UOHUP9o

「なあ、狛枝。いったい何があったんだ?」

「まだ記憶が混乱してるみたいだね……まあ無理もないけど」

以下略



5:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:00:25.62 ID:s9UOHUP9o

「そっか……それで俺は気絶して……」

「でも、日向くんも凄かったよ。終里さんと弐大クンが同じチームになった時点でもう負けは決まってたようなものだったのに……あそこまで奮闘するなんてさ」

以下略



6:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:01:12.63 ID:s9UOHUP9o

 強い衝撃を受けたからか、頭がジンジンと痛む。けれど、意識はだいぶはっきりしてきた。混乱した意識に、記憶の波が戻ってくる。幸いなことに、自分の名前も今の状況も、はっきりと思い出すことが出来た。

 俺の名前は日向創だ。今年から、この私立希望ヶ峰学園に通っている。この学園はたんなる高校じゃなく……全国からあらゆる分野の超一流高校生を集め、将来を担う”希望”に育て上げることを目的としている。

以下略



7:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:02:10.15 ID:s9UOHUP9o


 けれど、何の因果か、俺は今この本科にいる。それは、筆記試験を突破し、面接に進んだ時のことだった。
 
 希望ヶ峰学園といえど、面接で聞かれることはほとんど決まっている。落ち着いて、準備した答えを述べればいいだけのはずだった。
以下略



8:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:02:38.42 ID:s9UOHUP9o

 もちろん、嘘をついたわけではなかった。『才能こそが希望』……それは一貫した、俺の人生哲学だ。けれど面接は自分の人生哲学を語る場所ではなく、当り障りのないことをハキハキ喋ることが求められているのだ。

 だから俺は正直、失敗したと思った。こんなことで子供の頃から憧れていた希望ヶ峰学園への道を絶たれるのか、と。けれど、俺を待っていたのは不合格通知ではなく――特別枠”超高校級の希望”としての本科への入学許可だったんだ。

以下略



9:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:03:07.58 ID:s9UOHUP9o

 きーんこーん、かーんこーん。間の抜けたチャイムの音が響く。どうやら考えている間に、体育の時間は終わってしまったらしい。

 皆は疲れきった表情で(最も、終里などはまだ動き足りないという感じだったが)だべりながら校舎へと戻っていく。

以下略



10:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:03:37.44 ID:s9UOHUP9o

 告白したのは俺の方からだった。予備学科から編入した俺は、手続きの関係上一ヶ月ほど、入学が遅れていた。おまけに何の才能も持たない”特別枠”だ。

 今でこそ、みんなそんなことで偏見を持ったりしないいいやつらだと知っているが、当時の俺はここで上手くやっていけるかどうか、内心不安でいっぱいだった。

以下略



11:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:04:04.42 ID:s9UOHUP9o

「ああ……気にするなよ。それより、体育どうだった? 楽しかったか?」

「はいぃ! たくさん、ボールぶつけられましたけど、でも、それでも楽しかったですぅ!」

以下略



12:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:04:34.60 ID:s9UOHUP9o

 体育のあとは「才能研究」の時間だった。これは本科だけにある特別な授業で、各々割り当てられた研究室で、自由に自分の才能を研究するというものだ。これこそが希望ヶ峰学園の希望ヶ峰学園たる所以だと言えるだろう。

 とは言え、俺は研究するべき才能もなく、自分の研究室も持っていない。そもそも他の生徒から刺激を受けるために本科に配属されている俺は、もっぱら誰かに頼んで研究を見学させてもらうのが常だった。

以下略



13:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:05:02.08 ID:s9UOHUP9o

 けれど……いつからだろう。この時間が楽しみで無くなったのは。

 俺は、”超高校級の希望”として、皆と、罪木と肩を並べられるような才能を手にするために今ここにいる。けれど……俺に本当にそんなことが出来るのだろうか? いつのころからか、そんなことを考えている自分がいた。

以下略



14:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:05:30.62 ID:s9UOHUP9o

 いつのころからか、初めは凄い凄いと言って歓心していた彼らの能力は、いつしか絶対に越えられない壁として感じられるようになった。

 俺は、本当に胸を張って彼らと一緒に肩を並べることが出来るようになるのだろうか?――彼女である罪木と、一緒にいることが許されるんだろうか?

以下略



15:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:05:58.26 ID:s9UOHUP9o

 とは言え、他のやつらと一緒に過ごしたところでそれは同じことだ。だから最近ではもっぱら、屋上で時間を潰している。要するにサボりというやつだ。

 屋上のコンクリートの床にゴロンと横になり、空を見上げる。白い雲がちぎれて飛んで行く。

以下略



16:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:06:24.83 ID:s9UOHUP9o

 子供の頃から空を……特に星空を見るのが好きだった。とはいっても下手の横好きで、”超高校級の天文学者”なんて程遠い。そもそも、天体としての星に興味があるわけではなかった。

 ただ……この空の向こうに、今とは違う世界があるんじゃないか。そんなふうに感じて、それを探して空を見るのが好きだっただけだ。

以下略



17:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:06:52.69 ID:s9UOHUP9o

 そうして俺は今、憧れていた希望ヶ峰学園にこうして籍を置いている。それも予備学科じゃなく、本科にだ。学園はなんの才能も持たない俺に”超高校級”の才能を創ろうとしてくれる。これ以上ない状況のはずだった。

 けれど、なぜだろう。以前にも増してツマラナイと感じるのは。



18:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:07:20.79 ID:s9UOHUP9o

――俺は、今とは違う世界を望んだ。才能があればそれを見つけられると思っていた。けれど、それは想像と全く違うところからやってきたんだ。



以下略



19:1 ◆tA781uCnfc[saga]
2013/09/10(火) 12:08:01.25 ID:s9UOHUP9o

とりあえずここまで。今どきブギーポップとのクロスSSなんて、どれくらいの人が読んでくれるんだろうか……


20:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/10(火) 17:13:24.51 ID:wphzehrio
来てたか!
多分時間帯が悪いだけだじゃないかな
良ssなんだし夜に投下すればいい・・・と思うよ?


21:以下、新鯖からお送りいたします[sage]
2013/09/10(火) 17:33:16.63 ID:yIyU3iWMo
見てるぞ
あなたの書くダンガンロンパが大好きです


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