10:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 00:22:01.85 ID:qgOebLqx0
P「あれは……」
同じく果てのない天井から、水滴が断続的に落ちてきている。
自分の立ち位置からおよそ3メートルほど先だろうか。
波紋が起こり、そこにぼやけた輪郭が浮かび上がった。
P「ん?」
輪郭は一定の形を取らず、ふよふよと揺らめいている。
じっと見ていると、何かに似ているような気がしてきた。
雲を見ていると『あれはアイスクリームだ』と思うような感覚とでも言おうか。
そんな錯覚と同じように、俺が不安定な像に幻視したのは。
P「千早……か?」
長い髪に華奢な体躯、直立不動の姿勢が彼女だと思わせる。
伸ばした右腕を左手が押さえていて、拒絶の意思が垣間見えるのも彼女らしさに拍車を掛けている。
『千早なのだろうな』と意識した瞬間、幾重もの線になっていた輪郭が、急速に収斂されてゆく。
そしてそこには。
千早「…………」
千早が居た。
P「……千早?」
恐る恐る声を掛けてみたが、反応はない。
ただ無表情に、こちらを見つめるだけ。
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