81:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:27:35.34 ID:qgOebLqx0
P「そうか。何かあったら、いつでも言ってくれていいからな」
貴音「はい。ありがとうございます」
静かにやり取りを交わす声が、事務所に響いている。
ただの沈黙も、貴音と居れば不思議と心地よい。
P(……やっぱり、話してはくれないか)
『重大な使命を背負っていた』という話は聞いている。
今みたいな表情をしているのは、大抵その事を考えている時なのだ。
それが気になって、以前、もっと詳しく貴音の過去を訊こうとした事がある。
結局は『トップシークレット』の一言が返ってくるのみだったけれど。
P(それも当然か)
いつだっただろう。あれは確か、律子の躍進を見て焦っている時期だったか。
プロデューサーとして未熟だった俺は、皆に随分と迷惑をかけた。
ダブルブッキングという、致命的なミスも犯した。
もし、その時の事を他人に訊かれたとして、俺は素直に答えるだろうか。
P(答えないよなぁ……)
誰だって知られたくない事の一つや二つはあるものだ。貴音が言うには、一つどころか百個もあるそうだけど。
ともかく、自分に置き換えて考えれば、過去を聞き出すなんて事はできなくなった。
それに気づいてからは、『息抜きになればいいか』程度の世間話をするだけになったのだ。
そんな事をつらつらと考えていると、不意に給湯室の方から声が聞こえた。
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