98:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:47:39.07 ID:qgOebLqx0
P(待てよ……ひょっとして、俺は――)
思考の沼に沈んでいる間に、『俺』――あるいは『彼』だろうか――は報告を終えていた。
黙っていた社長から企画案にGOサインが出され、部屋を辞そうとしている。
そこを不意に呼び止められて、『昼であがりだ』という言葉に困惑している自分が居る。
何もかもが、『俺』の意思を無視して進んでいく。
P(俺は、二重人格なんかじゃなくて――)
よくよく考えれば、おかしい事は何度もあった。
伊織の時に、急須を落とさなかったのも。
あずささんの時に、事故を起こさなかったのも。
真の時に、約束を思い出す前に返事をしたのも。
それに何より、書類の内容を憶えていたのも、全て……
P(ずっと、過去を繰り返していたからで――)
提案に反発していた自分が折れて、社長に一礼している。
退出した後の俺はドアノブを握り、静かに扉を閉めようとしていた。
何故か左手が温かくなる。
そして。
社長「期待しているよ」
社長から激励の言葉が聞こえてくる。
それを最後に、意識の糸は儚く切れて……
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