99:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:48:30.16 ID:qgOebLqx0
【入院病棟・個室】
病室は静寂に包まれている。
私の目の前には白いベッドがあった。
100:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:48:57.00 ID:qgOebLqx0
小鳥(もう一週間も経つのよね……)
診察した医師は『過労だ』と言っている。
しかし、ただの過労がこんなに長引くものだろうか。
『何も分からない』という事実が不安を募らせる。
101:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:49:25.20 ID:qgOebLqx0
高木「彼が過労で倒れたのは、音無君も知っているだろう?」
小鳥「ええ。そう聞いています」
高木「それで……これは、私も耳を疑ったんだが……」
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2013/09/11(水) 01:50:05.80 ID:qgOebLqx0
小鳥「社長、教えてください。どうしてプロデューサーさんは目を覚まさないんですか?」
高木「……分かった。君には話しておくべき事かもしれないね」
社長は一つ息を吸うと、ゆっくりと話し始めた。
103:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:52:30.89 ID:qgOebLqx0
社長の説明は、分かりやすいようで分かりにくかった。
どこか核心を避けて話しているように思える。
だから私は、またしても社長に問い掛けた。
小鳥「……それは、どうしてですか?」
104:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:53:03.32 ID:qgOebLqx0
高木「さっき説明した通り、彼が夢を見ている時には、言語野が活動している状態になる」
高木「そして、強いストレス反応を示した後、意識が途切れる……」
高木「ここまではいいかね?」
105:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:55:48.64 ID:qgOebLqx0
高木「私の言葉でストレスの限界に達した彼は倒れ、そして今も眠り続けている」
高木「『夢で会話をしているのではないか』という予想は、ストレスによって意識が落ちる事を考えて辿りついた結論だよ」
高木「何しろ、私があの言葉を掛ける直前まで、彼と会話をしていたのだからね……」
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2013/09/11(水) 01:56:44.31 ID:qgOebLqx0
小鳥(お見舞いにも来たいでしょうけど……もうしばらく我慢して貰わないとね……)
あの子達には『静養中だから』という理由で、お見舞いには来ないように言ってある。
それが真実ならよかったものの――静養中である事に偽りはないが――嘘を隠す為の措置だというのだから救えない。
107:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:57:38.59 ID:qgOebLqx0
高木「音無君が疑問に思っているのは、彼がどうして目を覚まさないか……だったね」
小鳥「はい。原因がさっき聞いた通りなら、時間の経過で回復が見込める筈です」
小鳥「目を覚ました後も、これからは気をつけてプロデューサーさんに接すればいい……でも」
108:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:58:10.02 ID:qgOebLqx0
高木「例えば、音無君が荷物を持つ時……それを『重い』と認識して持つだろう?」
小鳥「ええ……そうしないと力が入りませんし」
高木「では、私が音無君に『中身は入ってないよ』と言って、10キロの荷物を渡したらどうなる?」
109:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/11(水) 01:58:50.17 ID:qgOebLqx0
小鳥「プロデューサーさんは、ずっとこのまま……?」
夢の中で、ストレスに苛まれ続けるのではないか。
そんな懸念が生まれてしまう。
しかし、社長は無理に明るい声を出して。
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