過去ログ - ジオン女性士官「また、生きて会いましょう」学徒兵「ええ、必ず」
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◆tK49UmHkqg
[saga]
2013/09/24(火) 21:42:19.74 ID:q9z5J92ho
「う、うわっ!こっちに来た!」
エリックの声だ!
「エリック、あんたは逃げな!」
「キリ、援護頼める?!私がやる!」
続いて、ウリエラとキリの声。俺は残りの一機に注意を払いながら、ウリエラたちの援護に向かう。ウリエラは、能力こそ強いものの、モビルスーツの操縦はそれほど錬度がない。急がないと…!
「ケイスだ!イレーナ、俺がウリエラ班の援護に回る!お前たちで、残りの1機を頼んだ!」
「了解!アレク、来て!」
くそ、またウリエラを放っておけってのかよ!?分かってる、それが一番、全員にとって安全だってのは分かってる…くそ、ウリエラ、死ぬなよ!
俺はペダルを踏み込んで中尉の機体に追従する。最後の1機はすぐに見つけた。ケイス班を追尾していて、隙をうかがっている。こっちには、無警戒だ。
「うわぁぁ!ひ、被弾した!」
エリックの叫ぶ声が聞こえる。まさか…エリック!
ウリエラ達のほうを見やると、片脚をもぎ取られたザクを、二機のザクが援護している姿が見えた。
「まったく!グズなんだから!流れ弾にあたるなんて、なさけないよ!」
キリがそう怒鳴った。狙われたわけでは、ないんだな?俺は一瞬、安堵した。そして正面に視線を戻したとき、さっきまでケイス班を追いかけていた敵機が向きを変えて、俺に迫ってきていた。慌ててレバーを操作したのと、敵機の銃口が光ったのと、ほぼ同時だった。
ビームはなにもない空間を飛びぬけていく。俺はさらにこっちに照準を合わせようとしている敵機の正面から逃げるように機体を滑らせる。
「中尉、俺が突っ込みます。援護お願いします!」
俺は中尉に言った。バズーカはさっき破壊されてしまったから、俺に残っている武器はヒートホークのみ。近接戦闘を仕掛けるには、距離を詰めるほかない。
「了解。行くわよ!」
中尉はそういって、バズーカを乱射し始めた。照準を合わせようとしていたのをやめて、敵機は砲弾をかいくぐる。俺はその動きに全神経を集中させた。視界がスローがかり、モビルスーツの動きと、機動が、感じられる。次の砲弾を、左にかわす!
俺はその地点に向けて機体を加速させた。中尉の放った砲弾を避けた敵機が正面に現れた。もらった!
俺はレバーを引いて、敵機にヒートホークをたたきつけた。機体全体に鈍い衝撃が走った次の瞬間には、敵機は上半身と下半身を半分に分離させて、程なくして爆発した。
まだだ、ウリエラ達のほうの敵が…俺は機体をさらに翻らせて方向を変える。しかし、そこには、戦闘の様子はなかった。あったのは、動かなくなった敵機が宇宙空間にフワリと漂っていて、それを見守るようにウリエラ達が停止している姿だった。
「ケイス、やったのね?」
「あぁ…まったく、とんだやつだった…」
ケイス隊長のため息交じりの声が聞こえる。
それにしても、そうか。今回は、勝ったんだな。誰も落とされずに、誰も死なせずに、俺は、やれたんだ。
そう思ったら、俺も大きくため息をついていた。全身から力が抜けていくのを感じて、俺はシートに身を委ねた。
「こちら、サイド3防衛軍第18遊撃隊。哨戒中の部隊、無事か?」
「こちら、第1訓練部隊。一機被弾しましたが、乗員は無事です。その他、機体、パイロットに問題ありません」
「了解した。すぐにムサイ級ヴィクトールが来る。貴隊はヴィクトールに着艦せよ。あとは引き継ぐ」
「了解、18遊撃隊。お願いします」
中尉の安堵した声が聞こえる。良かった、この人も、無事だよな。俺は内心でそんなこと思って、うれしく思っていた。営舎に戻ったら、ねぎらいの言葉を掛けてやろう。
俺や、ウリエラや、キリにエリックを励まし、見守り続けてくれているこの人を守ってやれるのは、この隊ではただ1人、俺くらいなものなのだから。
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