32:以下、新鯖からお送りいたします[saga sage]
2013/09/15(日) 08:45:35.02 ID:KoVYOW1+o
今日はやたらアイドル達が話しかけてくる。おそらく、うさぎが貴音じゃないことを気付かせるためであるなのだが、ぶっちゃけると話がめちゃくちゃ内輪すぎてついていけない。
春香と千早の場合はクラスメイトの話。雪歩はお父さんとお父さんの部下の話。伊織は生徒会の話とうんとかへーとかの相槌しか打てない。
なので、面白いツボがわからなかったり、だから何という。
そんな話をしている間、貴音がなんか拗ねていたのでアイドルの間に入って膝に座ってきた。
微笑ましい光景だが、貴音が座っているのは結構理性にダメージが大きい。せっかくバニー貴音に慣れてきたというのに密着されるとやはり俺は弱かった。
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2013/09/15(日) 08:46:15.33 ID:KoVYOW1+o
貴音がうさぎになって3週間が経った。
一向に見つからない貴音に警察も動き出した。正確には社長が前もって伝えていたのだが、ここまで見つからないとなるとさすがに手抜き操作は出来ないといった感じだろう。
アイドル達も心配していて普段の事務所から笑顔と笑い声を引けば今の事務所の雰囲気が出来上がる。
特に響が一番酷く、遂にレッスンの最中に倒れてしまったのだ。その報告をうさぎの状態で聞いていた貴音は家に帰ってから泣いた。その貴音を抱きしめるしか出来ない俺は久々に事務所の壁をぶん殴った。
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2013/09/15(日) 08:47:10.73 ID:KoVYOW1+o
そんな支配が少しずつ大きくなりはじめ葛藤することが続いているある日の帰り。
荷台に乗る貴音がぎゅっと思いっきり抱き着いてきた。普段は落ちない程度に抱き着くのだが、今日のはいつもと違う。
そろそろ限界なのだろうか。それともこちらの環境に適応してきてしまったのか。そう思う反面、これが制服だったら青春なんだろうなぁーと思った。
いや、違った。
どうやらお月見でもしたいようで、団子を買って欲しいとねだってきたのである。
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2013/09/15(日) 08:48:15.08 ID:KoVYOW1+o
「ここの神社でどうでしょうか?」
「……ここか。まー確かに神主さんいない寂しい神社だけどお月見にはもってこいだな」
「ふふふ。覚えていますか?」
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2013/09/15(日) 08:48:44.43 ID:KoVYOW1+o
鳥居を潜り境内に入る。本当は清めるために手水舎に向かうのが正しいのだが、生憎ここの神社はその手水舎の水が出ない。だから直接拝殿に向かう。いや、本殿と言ったほうが良いのか。一般的に神社は手前に拝殿で、奥に本殿があるのだが、小さい位神社は本殿と拝殿が一緒の神社がある。
今回貴音と二人っきりでお月見をする場所は本殿と拝殿が一緒の神社である。小さいとは言っても手水舎があるのでちょっとは大きいのだろう。
ちょっと脱線するが神社には鳥居・拝殿・神殿が必ずある。それだけだが、こういう話は貴音のドラマのための前知識として頭に詰め込んできた。もちろん脚本家の話に合わせるためと貴音と確認するためである。
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2013/09/15(日) 08:49:23.49 ID:KoVYOW1+o
先に本殿前に団子を奉納する。
そして2人ならんで賽銭箱の前に立つ。ここは鈴がない。なので、ご縁にちなんで5円玉を入れた。確かこの5円玉にも何かしらの縁がらみの意味があったが忘れた。
貴音はマニアックに21円を入れた。どういう意味か聞くと「とっぷしぃくれっとです」と教えてくれなかった。
基本賽銭を入れた後は二拝二拍手一拝を行う。当然意味など知らない。貴音は知ってそうだが、聞いても忘れそうなので聞かないでおくことにした。ちなみに出雲大社では拝礼作法が違うので、地方ロケで行ったら注意しておくことにしよう。
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2013/09/15(日) 08:49:59.32 ID:KoVYOW1+o
「すすきがないけど仕方がないよな」
「ええ。神様も許してくれるでしょう」
「貴音は前回のことを謝れ」
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2013/09/15(日) 08:50:31.43 ID:KoVYOW1+o
「ふふふ。このお月見の参加者が増えましたね」
「誰だ?」
「神様です」
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2013/09/15(日) 08:53:01.00 ID:KoVYOW1+o
「あの……よろしいですか?」
「どーした?」
「このままわたくしが元に戻れなかったら……」
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2013/09/15(日) 08:53:35.68 ID:KoVYOW1+o
「……卑怯ですよね。こういう場所、雰囲気。すべての力を借りないと言い出せないのは……」
「卑怯だね」
「……お慕い申し上げます。いえ、前から……こうなる前から……」
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2013/09/15(日) 08:54:10.27 ID:KoVYOW1+o
翌日の早朝、俺は律子に叩き起こされた。正確には律子の着信である。
何事かというと電話に出た貴音の声で律子が俺に代われと怒鳴ったらしい。
「なんですかね?」
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