5:以下、新鯖からお送りいたします[saga]
2013/09/21(土) 01:57:28.89 ID:8ucU1b060
「すごくいい演技だったよ、ありがとうお兄さん!」
「いやいやこっちこそ。助けてくれてありがとう」
本心である。実際の話あの場に光がいなかったらどうなっていたことか、考えるだに恐ろしい。
「ステージの上でも名乗ったけど、アタシは光、南条光だ! この子は……」
かたい握手を俺と交わしつつ、光は弟と思しき子供の顔を見た瞬間「しまった」という表情になった。
「ああああそうだった! お兄さん、迷子センターってどこかな?」
「迷子センター?」
「うんっ、この子が迷子なんだ! それでアタシが一緒にいたんだけど……」
どうやらこの子供は光の弟ではないらしい。親とはぐれて泣いていた少年を見つけた光が、これを宥めつつ2人連れ立って親を探すうちにヒーローショーに見入ってしまったのだろう。なんとも微笑ましいコンビである。
「迷子センター……というかインフォメーションセンターなら1階だな。俺も一緒に行くよ」
「ありがとうお兄さん! よかったな少年、仲間が増えたぞ!」
少年はにこにこしていた。ステージを降りても光はヒーローだった。俺は一般人だった。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったな!」
「名乗るほどの者じゃないよ」
「おおー! そういう紹介の仕方もあったか!」
他愛ない会話を交わしつつも何となく、こんな素直な子供たちに道案内できる俺は幸せ者だな、と思った。
ところが。
15Res/17.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。