過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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31:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:00:39.52 ID:FkLb1xlW0
「お姉ちゃん!!」
「なっ!?」
 マートの表情からは驚きが隠しきれていない。
「……主人公ならこの程度のピンチは跳ね返してくれるだろう?」
「できると思うんですか? 本格的にアニメの見すぎですね」
 マートはアレックに、自分の現状を皮肉まじりに伝える。
「できなければ、君はそこまでということだ」
「……ですか?」
「え……?」
 小さく、怒りをこめてつぶやいたのは、マートではなかった。
「メロ……?」
「あなたは何様ですか!?」
「な……」
 アレックに抱えられたまま、メロは激昂する。
「私とお姉ちゃんの時間を邪魔して! それだけじゃなく、お姉ちゃんをひどい目に遭わせて!」
「め、メロ。お姉ちゃんは平気だから……」
「お姉ちゃんは黙ってて!」
「は、はい!」
 メロの剣幕に、押さえつけられたままのマートの肩がすくむ。
「君は、怖くないのかい? メロちゃん」
「あなたなんかちっとも怖くないです! 私には、お姉ちゃんがいるから」
「メロ……。アレックさん、さっきの言葉、訂正します」
「なに?」
 マートは自身を押さえつけている男たちを徐々に押し返して、立ち上がっていく。
「うぉわ!」
 そして、完全に男たちを跳ね除けた。
「ふぅ〜。なんか、メロがいたから跳ね返せました。アニメじゃありませんけど」
「……ふむ」
 アレックは、ゆっくりとメロを解放する。
「なるほど……。そういうのも、ありだな。君たち、もう帰っていいよ」
「あっ、はい」
 男たちはその場から静かに席を外す。
「お姉ちゃん!」
 メロは走ってマートの元に駆け付けた。
「よしよし、大丈夫だった?」
「平気。信じてたから。お姉ちゃんは?」
「うん。私も平気」
「あー、ごほん」
 姉妹の会話をアレックが無粋に遮る。


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