過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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44:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:08:00.17 ID:FkLb1xlW0
「いや〜、実は今日さ〜。エラメクちゃんが合成獣にボロボロのヘロヘロにやられちゃってさぁ」
「んなっ!?」
アレックがマートの『町』での様子を知っていることは、不思議なことではない。
小型カメラを通して、映像はしかるべき場所に送られているのだ。
それを国の人間であるアレックが見ていても不思議ではないだろう。
「お姉ちゃん、本当なの!?」
「い、いや、本当だったら、私は帰ってきてないし……」
「まぁ、結構誇張したけど、勝てなかったのは確かだよ」
アレックに嘘をついてるといった素振りが見られない以上、もはや取り繕うことはできない。
「まぁ、そうなんだけど……」
「お姉ちゃん、もう仕事行っちゃダメ!」
「む、無理だよ。あれが唯一の収入源なんだよ?」
そんなことはメロにもわかっているだろう。
しかし、生活できなくなることよりも、姉を失うことの方が、メロにとってはつらいことなのだ。
「それはこちらとしても困る。戦力は一人でも多い方がいいからね」
国の人間らしい、アレックの対応。
メロの表情は納得いかないといったようなものだった。
「そう睨まないでくれ。なにも、エラメクちゃんを死なせたいわけじゃない」
「それで、必殺技ですか? 唐突すぎる気がするんですけど……」
「唐突でも、生存確率は増やした方がいいだろ? 大丈夫、僕は天才だから」
自分で自分のこと天才っていうのは、なんだか変だなぁ、と思いつつ、マートはアレックの言葉をそれなりに受け止める。
「と、いうわけで! 僕の作った特設トレーニングルームに行こう!」
「さらに唐突なんですけど……」
「お姉ちゃん、行こうよ!」
「い……いや、あのね。……はい、行きます」
その場の雰囲気。メロの真剣なまなざし。
もはや、マートに断り切れるものではなくなってしまった。


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