過去ログ - オリジナル小説【現代ファンタジー】
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60:以下、新鯖からお送りいたします
2013/09/21(土) 20:28:16.09 ID:FkLb1xlW0
『……』
ふと、キメラの頭部パーツが、空を見上げる。
上空には何機かのヘリコプターが飛行していた。
『ふむ。結界も、時を経るにつれて薄まってきたようですね。どうやら、彼らには私たちの姿が見えているようです』
「マジですか……」
だが、それも今となっては意味のない話かもしれない。街中パニックにはなっているだろうが。
どちらが勝とうとも、この戦いで全ては決まるのだから。
マートは、世界の命運をかけて戦う勝負、その代表に選ばれてしまったのだ。
キメラが身じろぎする。
それだけでマートの体は吹き飛び、ガレキの中に叩きつけられた。
その力は、巨体だけでなく、魔術士によるものも含まれているだろう。
もはや、戦力の差がありすぎた。
ゾウとアリが戦ったところで、アリに勝てる道理などないのだ。
マートには、立ち上がる気力も起きなかった。
ただひとつ心残りがあるとすれば、メロとの約束を守れないことくらいか。
だが、このザマでどうしろと言うのか。
心の折れたマートに向かって、キメラの最後の一撃が放たれた。
――否。
それは、最後ではなかった。
防ぎようもないはずのそれは、阻まれたのだ。
いるはずもない魔術士の結界によって。
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