31: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:03:06.14 ID:bJALR2yqo
ここまでの情報は上条の記憶と完全に一致している。
芳川が、上条と垣根の理解度を確認するように視線を向けてきたので、頷き、続きを促す。
「誘拐した組織は、ウルムンの反政府組織〈曙光の鉄槌〉――いえ、当時は〈曙光の戦線〉と名乗っていたかしら。
32: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:05:05.70 ID:bJALR2yqo
「説明は、私よりも彼に任せた方が良さそうね」
「といっても今の芳川先生の説明でほとんど終わっているんだがにゃー。
結論を言うと、今朝になって、曙光の鉄槌との取引の合意に成功した。
四日後の五月二十一日、鈴科博士と身代金二十億円との交換をすることになる」
33: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:06:53.42 ID:bJALR2yqo
大きな話なので、ちょっと相談します。
そう言い残して、奥の事務室兼物置に垣根とともに移動し、顔をつきあわせる。
「……不幸な予感しかしない。おかしいって、こういうのこそ駒場やオティヌスの仕事だろ」
34: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:07:53.12 ID:bJALR2yqo
なるほど、そう考えれば納得は出来る。
そして、我らが咒式事務所は現在切実な問題を抱えていた。
「……事務所の財政は逼迫している。誰の責任とは言わないが」
35: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:08:35.80 ID:bJALR2yqo
36: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:09:35.00 ID:bJALR2yqo
市の外れにある廃工場。小さな窓枠から入り込むか細い光だけが内部を照らしている。
廃工場を隠れ場所にしていた男は、いつの間にか取り囲まれていたことに気付き取り乱した。
だがもう遅い。逃げ場はない。
37: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:12:13.44 ID:bJALR2yqo
「死なせねェよ。まだオマエは死なせねェ。最後まで、骨の髄まで、俺達の役に立ってもらう」
「あ、ああぁああ、許、ゆるひ」
「――許すものか」
38: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:14:22.34 ID:bJALR2yqo
「エツァリ、テクパトル」
しばらくの静寂の後、白い少年は背後に呼びかける。
39: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:16:03.24 ID:bJALR2yqo
「ぎゃは、ははははははははははははははははは!!! ぎィあはははははあはははァ!!!」
おぞましい哄笑が廃工場の中に響いた。
まるで黒板を爪で引っ掻いたように、生理的に嫌悪感を覚える声音だった。
40: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:16:42.56 ID:bJALR2yqo
「これが最初の呼び声だ」
41: ◆6xwp19VYUg[saga sage]
2013/10/25(金) 19:23:43.91 ID:bJALR2yqo
今回はこれで終わりです
組織が分り辛いので補足します。元は二つの組織がありました
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