6: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:37:01.45 ID:L6Vy60Ovo
「どうだ? 見事に入っただろ」
「いや、扉を閉めなければ入ったとは認めない」
「じゃあ閉めろよ」
7: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:38:01.86 ID:L6Vy60Ovo
上条は安らかな笑みを浮かべながら、垣根に宣言した。
「そこからの出場料は、100円となっております」
8: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:38:57.51 ID:L6Vy60Ovo
「あれ? せっかくのカブトムシ04を壊しちまう気か? 大事そうに磨いてたのに? まぁ俺には関係ねぇけど?」
冷蔵庫の内部で凄まじい葛藤が生じる。
一方の上条は、鼻歌でも歌いたい位いい気分だった。
9: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:39:58.69 ID:L6Vy60Ovo
言おうとした瞬間、凄まじい轟音と同時に冷蔵庫の上部が吹っ飛んだ。
そこから垣根が肩から上を覗かせ、咒式で作り出された、白色の未元物質が上条に襲いかかる。
どうやら予備の魔杖短剣を持ったまま冷蔵庫に入ったらしい。
持ってなければもっと弄くれたのにな。上条は溜息を吐くと右手で未元物質を打ち消した。
10: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:40:45.59 ID:L6Vy60Ovo
「テメェェェエエ!! カブトムシ04の無念、今ここで晴らしてやる!」
「カブトムシさんの上部を破壊したのは垣根の未元物質ですけど?」
怒りを新たにした垣根が二度三度と未元物質を放ってくるが、全て右手でいなす。
11: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:42:08.10 ID:L6Vy60Ovo
「急に訪ねてしまってごめんなさい」
冷蔵庫魔人から人間に戻った垣根と共に、居住まいを正して女を迎える。
女は芳川桔梗と名乗った。そしてこの事務所に依頼に来た、とも。
12: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:42:46.60 ID:L6Vy60Ovo
13: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:43:59.08 ID:L6Vy60Ovo
――数年前
14: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:45:38.76 ID:L6Vy60Ovo
負けを認めたアレイスターが、投了の証として王の駒を倒す。
「どうやら、私はチェルス競技者にはなれないな」
15: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:46:33.41 ID:L6Vy60Ovo
アレイスターは目を細める。そして、少年に問いかけた。
「私と共に世界を見てみないか?」
「それは、――十二翼将になれということですか」
16: ◆6xwp19VYUg[sage saga]
2013/10/25(金) 00:47:24.92 ID:L6Vy60Ovo
少年は、己というものを知っている。
己の頭脳の開発する先端技術によって、木原社の社員や家族、実に数万人にも及ぶ人々の生活が支えられていると知っている。
その重みで、少年の翼は飛び立つことなく、あの檻に似た箱形の研究施設に縛り付けられているのだ。
そして、その選択は少年の覚悟であり、アレイスターが手を回してどうにかする類いのものではなかった。
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