過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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573:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:12:29.36 ID:Yq2Noa/q0
「ねえ永佳ちゃん、テニスコート行かない?
 さっき家庭科部にちょっとお邪魔して、マドレーヌ作ったの。
 帰りがてら、差し入れに行こうと思うんだけど」

「…行かない。
以下略



574:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:13:00.50 ID:Yq2Noa/q0
ああ、せっかく気付いてくれたのに。
ホントに可愛くないな、あたしは。

ミーティングが終わったらしく、気合の入った挨拶の後部員たちは散っていった。
その中の数人が、永佳たちの方へ近付いてくる。
以下略



575:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:13:54.59 ID:Yq2Noa/q0
生まれて初めて目の当たりにする、見知った人間が殺される瞬間。

田中顕昌(男子十一番)の突然すぎる死に、教室内にはいくつもの悲鳴が重なり合って響き、黒板の前に並ぶ政府の人間たちから少しでも離れようと自分の席を放棄して教室の後ろ側にクラスメイトの大半は逃げて恐怖に顔を引き攣らせている。
木戸健太(男子六番)も自分の後ろの席に座る幼馴染の鳴神もみじ(女子十二番)の手を引きながら後方に下がり、同じように朝比奈紗羅(女子一番)を連れてきた真壁瑠衣斗(男子十六番)と共にもみじと紗羅を隠すように立ち、ライド(担当教官)たちを睨みつけた。

以下略



576:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:15:47.68 ID:Yq2Noa/q0
しかし、瑠衣斗は瑠衣斗なりに健太たちを見てくれていたのだ。
麗を信頼し、健太や咲良のことを気遣ってくれるその気持ちが嬉しかった。

「はいはい静かにー!
 みんな、着席してえな、話が前に進まへんやんかー!
以下略



577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:16:53.33 ID:Yq2Noa/q0
発言したのはアキヒロだった(何故かアキヒロだけは関西弁ではないのだが、淡々としたその口調は、標準語とはこんなにも冷たいものなのかと感じさせた)。
その内容に、教室内に一気に緊張が走る。

「アッキーどないしたん、なんかご機嫌斜め?
 そんなんせんでも、田中君のこともあったし、春川君やってわかってるんやろ?
以下略



578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:17:20.63 ID:Yq2Noa/q0
アキヒロの冷え切った言葉は、確実に生徒たちの心に植え付けられた。
周りの友人に視線をやっては、その視線が誰かとかち合うと慌てて逸らす――アキヒロの目的が生徒たちを疑心暗鬼にさせることだったとすれば、それは見事に成功したと言っていいだろう。
健太も左隣の優人や、右隣の日比野迅(男子十五番)と視線が合った時、相手を見続けることに恐怖を感じて視線を外してしまった。
もしもやる気だったら――このクラスには良いヤツが凄く多いと思っていたはずなのに(迅なんか、良いヤツ代表だと思ってきた。あんな出来たヤツ、早々いない)、今は疑う気持ちがどうしても先立ってしまう。

以下略



579:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:18:11.84 ID:Yq2Noa/q0
 じゃあ、名前読み上げるなー。
 男子六番・木戸健太君」

健太はびくりと肩を震わせた――おいおい、まさかの俺かよ。
周りの視線が自分に向けられるのを感じた。
以下略



580:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:19:59.09 ID:Yq2Noa/q0
『夢を見てたよ濃い恋する夢 何でも上がってく Yeah?♪
 おはよー、ライドやでー。
 みんな、夢見たりしてへん? はよ起きなあかんでー?』

何やら明るく激しい音楽が鳴ったかと思うと20秒程でぷっつりと途切れ、自分に酔っているように歌っていたライド(担当教官)は我に返ったかのようにテンションを落として喋り始めた。
以下略



581:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:20:35.44 ID:Yq2Noa/q0
御神島の東側、島内で最も標高が高い御蔵山の北側の麓には墓地が広がっている。
敷地はそこまで広いわけではなく、周りは鬱蒼とした森に囲まれて墓地独特の気味悪さが漂っており、夕暮れ時ともなれば尚更である。
ましてや今はプログラムという命の奪い合いの最中だ、たとえ幽霊など信じていなくても誰かが化けて出てくるのではないかと思ってしまう。

そんな不気味な雰囲気の中で不意に頭上からガガッというノイズが聞こえてきたので、湯浅季莉(女子二十番)はびくっと体を震わせてから空を仰いだ。
以下略



582:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:22:24.76 ID:Yq2Noa/q0
風はない。
しかし、葉の擦れる音がした。
これは、明らかに人為的なものだ。
つまり、誰かが近くにいるということだ。

以下略



583:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/23(土) 19:23:58.46 ID:Yq2Noa/q0

男子1番・秋庭俊人
(あきば・としひと) 女子1番・磯田匡子
(いそだ・きょうこ)
男子2番・池埜多丞
以下略



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