過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:43:56.52 ID:BVhJwVsq0
賢吾や雪美と同じクラスに、上野原咲良も在籍していた。
中等部から帝東に入った賢吾には、咲良は少し――いやかなり可愛らしい子だな、という程度の認識しかなかったのだが、初等部から帝東にいた男子に日々囲まれ、教室の外からも様々な男子から声を掛けられているのを見て、相当に人気のある子なのだということがわかった(「ああ、榊原は初等部の頃のこと知らないよね。咲良サンは帝東のマドンナなんだよー、ファンクラブみたいなのもあるみたいだし?」とヘラヘラとした笑顔を浮かべて教えてくれたのは、こちらも3年連続クラスメイトになる相葉優人(男子一番)だったような気がする)。
それだけ男子から持て囃されれば女子には嫌われるのではないかと思ったが、見ている限りではそのようなこともなかった。
基本的には女子と一緒に行動しているし、本人がいない場でも悪口のようなものを聞いたことが無かった。
控えめで気取ったところが無くて、いつも穏やかな笑顔を絶やさなくて、周りへの気遣いを怠らなくて――見れば見る程完璧な子だと思った。
そんな咲良と同じ図書委員になったのは単なる偶然だった。
ほんわかとした笑顔を浮かべて「よろしくね」と言われればいくら堅物で無愛想な賢吾でも何も感じないわけがなく、思わず頬の筋肉が緩んだ。
4月某日、賢吾と咲良は放課後の図書室貸出カウンター受付の当番で下校時刻まで図書館にいた。
賢吾はあまり人と会話をするのが得意な方ではないし、咲良も自分から積極的に話しかけてくるタイプではないようで、たまに交わす会話の内容は互いの部活のことや科目や食べ物の好き嫌いの話などの当たり障りのないものに留まった。
無愛想で小学校時代も女子と殆ど会話を交わしたことのなかった賢吾にとってはぽつりぽつりとでも話すことができた初めての相手だったということも理由の一つだと思うが、ちょっとしたことで楽しそうに微笑む咲良に対し、賢吾は淡い好意を抱いた。
下校時刻を告げるチャイムが鳴り、賢吾と咲良は後片付けをして図書館を施錠し、鍵を職員室に返した。
「遅くなっちゃったね。
榊原くんも駅まで行くんだよね…駅まで一緒してもいい?」
「え…あ、ああ、いいけど…でも…いつも一緒に帰ってる派手なヤツは?」
少し良いなと思う子に誘われたのは内心嬉しかったが、咲良はいつもクラスが別の賢吾ですらその名と姿を知っている城ヶ崎麗(男子十番)らと共に下校していた。
部活動が終わる時間が一緒なので咲良が下校する姿は度々目撃していたが、咲良が一人で下校している姿は見たことがなかった。
「派手って…ふふっ、麗くんのこと?
今日は奨くん…あ、お友だちなんだけど、奨くんの体調が悪いみたいで、麗くんは
心配だからって授業が終わってすぐに奨くんと一緒に帰ったの。
撫子…えっと、近所の子なんだけど、あの子も今日はお稽古があるから。
一人ってあんまりないから、ちょっと怖いかなー…なんて。
情けなくてごめんね、もう中学生なのに」
「いや…駅までだけど…俺でいいなら……、うん」
この時、生まれて初めて賢吾は自分のコミュニケーション能力の無さを呪った。
大勢の友達が欲しいとは思ったことがなかったので今までは話し下手でも別にいいと思っていたのだが、今、もう少し気の利いた台詞が言えないことが悔しかった。
咲良は「ありがとう」と笑ってくれたけれど。
校門に向かう途中、突然2人は上級生に囲まれた。
いや、正確には彼らが囲みたかったのは咲良なのだけれど、隣にいたので必然的に賢吾も巻き込まれてしまったのだ。
「あ、咲良ちゃんだー、偶然!」
「あれ、今日は城ヶ崎君は一緒じゃないのー?」
「暗くなってきたしさー、一緒に帰ろうよ」
馴れ馴れしく咲良に語りかける集団はどうやら上級生のようで、咲良の知り合いなのかと思ったが咲良がきょとんとしていたあたり知り合いではないのだろう(そういえば、優人が「しょっちゅう咲良サンって知らない先輩とかにも声掛けられるみたいだよー、まあ城ヶ崎くんとか池ノ坊とかが傍にいる時はそうでもないみたいだけどね」と言っていた気がする。というか何なんだアイツは、親しくもないのに聞いてもいないことをベラベラと。ああいうノリの軽い口も軽そうな輩は好きにはなれない)。
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