過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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986:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/26(火) 06:45:41.37 ID:BVhJwVsq0
「最初は上野原さんを殺してほしいってお願いしてたのよ。
 池ノ坊くんに身体を張って女の子を護るような度胸があるなんて思わなかったわ。
 ふふっ、すごいすごい」

雪美は笑顔のまま、パンパンとわざとらしい拍手をした。
「あ…あたし…?」と咲良の震える唇から、消えてしまいそうなか細い声が漏れた。
瑠衣斗がばっと動き、奨の亡骸の傍でへたり込んでいた咲良の腕を掴んで無理矢理引っ張り賢吾と雪美から距離を取らせ、庇うように華奢な背中で咲良を隠した。

そう、雪美の今回の目的は、咲良の命を奪うことだった。
偶然咲良たちを発見した雪美は、松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)に咲良たちの班を襲うように“お願い”した。
万一季莉と錬の襲撃から逃げた時のために雪美と賢吾は少し離れた場所で待機しており、逃げてきたことを確認した場合には雪美は自分が班員から追われているという嘘を付いて咲良たちに近付きその足を止めさせ、そして気を許させたところで賢吾が襲い掛かり、雪美を襲うふりをして咲良を殺害する。
これが計画の全てだった。
何故雪美が咲良を狙うのかわからなかったし、片想いしている相手に刀を振るうなんて「嫌だ」という言葉では片付けられない程に胸が軋んだけれど、雪美に逆らうことはできなかった。
雪美が歪んだ理由の一端である自分には、雪美のやりたいことに付き合い、望みを叶えなければならない責任がある――そう思っているので。

上野原を悲しませたことをどうして、などと言う資格も、後悔する資格も俺にはない…
雪美の指示に従うのが、俺の意志なんだから…

頭ではそう思っているのに、酷く心臓が痛む。
眉間に皺を寄せている賢吾の隣で、雪美はくつくつと笑い声を零した。

「ふふっ、上野原さん、『どうしてあたしを?』って顔してる。


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