過去ログ - 【安価】苗木「今日から2年生か・・・」【ダンロン1+2】
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2013/11/26(火) 06:52:06.63 ID:BVhJwVsq0
慟哭し過ぎて優人の声は掠れきっていたが、それでも泣き止むことはなかった。
命を奪い合うルールの下で、優人の下した決断は間違っていない、と思う。
そして、こんなにも悔やんで泣き叫ぶ優人は、泣いてプログラムに乗ることを嫌がった邑子や悩み過ぎて嘔吐した卓也と同じく、とても優しくて、優し過ぎて、プログラムには向かない人種なんだとも思う。
人を傷付けたというのに涙の一つも出てこない自分とは大違いだ。
葉瑠は小さく息を吐き、優人の隣に膝をついた。
普段は近付いてくる優人を軽くあしらっている葉瑠だが、優人の頭を撫でる手つきとその表情はとても優しかった。
「…ごめんね、優人、辛い思いさせて。
撃ったのは確かに優人だけどさ、見てるしかできなかったあたしだって同罪だよ。
千世を護ってあげられなかったんだから。
…それでさ」
葉瑠は顔を上げ、英隆を睨んだ。
優人に向けていたものとは違う、敵意に満ちた冷たい表情――迅や早稀から向けられたそれは例えるならば炎のようだったけれど、葉瑠のそれは凍てついた氷のようだ――に、英隆は思わず後ずさった。
「アンタだって同罪だよ、英隆くん。
アンタが撃たなきゃ、あたしたちは千世を失わずに済んだんだ。
…いいや、もっと酷いよ。
アンタは千世を死に追いやって、優人に人を殺させたんだからね。
殺人だし、殺人教唆だよ。
イケメンだからって、何やっても赦されるだなんて思わないでね。
…そこで傍観してる邑子も永佳も卓也くんもだよ?
アンタたちは4人揃って加害者なんだから。
千世だけじゃなくて、雄大くんのこともある。
少なくともあたしは、アンタたちを死ぬまで…ううん、死んでも赦さない」
葉瑠の言葉一つ一つが氷の刃となって英隆の胸に突き刺る。
言葉に殺傷能力があるのなら、英隆の体はは八つ裂きになっているだろう。
何か言葉を発しようにも、声が全く出てこない。
一言何か言えば、葉瑠から百の反撃を喰らって本当に言葉に心臓を射抜かれて死んでしまうのではないかと思えてしまい、言葉が詰まってしまう。
後ろから邑子の嗚咽が聞こえてくる。
親友の葉瑠にここまで責められて、相当ショックだろう。
「…ほんと、頭が良くて口も回る人って嫌になる」
言葉を発したのは、永佳だった。
「赦すとか赦さないとか…しょうがないでしょ、これ、プログラムなんだから。
軍の人が言ってたじゃん、『殺らなきゃ殺られる』って。
死にたくないなら、[
ピーーー
]しかないでしょ」
永佳もプログラムに乗りたくて乗っているわけではない――彼女の口癖を借りるなら、“しょうがない”から武器を手に取ったのだ。
冷たい言葉を放つけれど、永佳だって本当は優しい子だということは、幼い頃からの付き合いで十分に知っている。
今だって、周りの人に嫌な思いをさせるくらいなら自分が傷付くことを選んでプログラムに乗っている。
葉瑠の怒りを買いかねないこの発言も、葉瑠の怒りの矛先を英隆から自分へ向けようとしたものだ――とするのは英隆の思い上がりかもしれないが。
葉瑠は永佳に目を遣り、小さく笑んだ。
目は全く笑っていなかったけれど。
「永佳は、割り切ったんだね、そうやって。
割り切るのは良いけどさ、割り切った者同士てドンパチしてほしいもんだわ。
あたしたちは、仕方ないからって割り切ることはできなかったんだよ。
死なずに殺さずに、どうにかできないかなって、そんな甘い考えしてたわけ。
可能性はゼロじゃないっしょ、プログラムで脱出者が出たって話も聞くしさ。
迅くんと早稀とか、きっと麗くんのグループとか、やる気じゃない人もいるの。
あたしらはそういう人たちと結託するから、そっちはそっちでお好きにどうぞ」
「『うん、わかった。好きにする』…なんて言うわけないじゃん。
生きるためには、他の班は全滅させなきゃいけないってルールだし。
割り切れならさ、リタイアすれば?」
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