過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
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938:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:53:55.39 ID:jdPmmt0K0
「…真子っ、雨宮ぁっ!!
 絶対、逃がすもんか、今度こそ…ッ!!」

“今度こそ”というのは、季莉たちが城ヶ崎麗(男子十番)らの班を逃がしたことを指しているのだと思うが、麗たちを逃がした腹いせに殺されるだなんて絶対にごめんだ。

以下略



939:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:54:32.19 ID:jdPmmt0K0
『護るからね』と言った女の子(しかも彼女でも、普段親しかったわけでもない、ただのクラスメイトだ)を本当に護って命を落とすだなんて、並のヤツには絶対できっこない――正真正銘イケメンだよ、悠希。

「くそ…くそっ、くそぉッ!!
 何なんだよお前ら、意味わかんねぇよ、この、人殺しッ!!!
 華那と悠希がテメェらに何したよッ!!?」
以下略



940:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:55:29.53 ID:jdPmmt0K0
文句の1つでも言ってやろうと思ったが、口を開いて出たのは血液と呼気だけだった。
その様子を見た雪美が、華那の頭を撫でた。

「可哀想に…痛いのに苦しいのに[ピーーー]ないなんて…
 賢吾…華那ちゃんを、助けてあげてくれる?」
以下略



941:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:56:25.17 ID:jdPmmt0K0
「ねえ、あたし、死にたくないわ」

2番目に出発する班として教室を追い出されて廊下を歩いている時に、鷹城雪美(女子九番)はプログラムに参加させられ今から戦場へと出なければならないという状況とは思えない程に落ち着いた声で、そう言った。

もちろんそれはその後ろを歩いていた松栄錬(男子九番)も同意見だった。
以下略



942:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:57:07.19 ID:jdPmmt0K0
紗羅ともみじはクラスの女子の中で数少ない錬のことを名前で呼ぶ人たちで、小柄な2人が一緒に騒いでいる姿は見ていて微笑ましく、紗羅は性格がキツいところもあるが基本的には良い子だし、もみじはぽわんとしていて癒される。

とにかく、たとえチームが別でルール上敵になったとしても戦いたくない相手だと錬は思ったし、季莉や賢吾も同じ意見だった。
しかし、雪美は、きょとんとした表情を浮かべ、3人に向き直った。

以下略



943:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:58:06.47 ID:jdPmmt0K0
賢吾は評価しているクラスメイトの、季莉は親しい友の、命を奪いに行った。

「“生きる覚悟”って…クラスメイトを…その…[ピーーー]…覚悟…ってことなんだね…」

離れた場所で麗たちの声が聞こえた頃、雪美は錬を解放した。
以下略



944:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:59:09.17 ID:jdPmmt0K0
『ねえ、錬、この前借りた小説、もう一度借りていい?』
『良いけど…季莉、そんなに気に入った?』
『うん、あたしが気に入ったのもあるんだけどさ。
 真子が読みたいって言ってたの、貸しても良い?』
『山本さんが? 良いけど…』
以下略



945:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 08:59:51.59 ID:jdPmmt0K0
「逃がすかぁぁぁッ!!」

錬の足は速くない上に持久力もない。
普通の状況で追いかけっこをすれば、バドミントン部で鍛えている真子に瞬発力も持久力も決して敵わないだろう。
しかし、真子の震えた足は自身の逃亡を困難にし、錬との距離は詰まっていった。
以下略



946:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:00:32.05 ID:jdPmmt0K0
「あ……あぁ……ああああああぁぁぁあッ!!」

錬は血塗れになった金槌を手離し、頭を抱えて叫んだ。
ついに、人を殺した。
泣きながら何度も命乞いをしてきた、小さな女の子を。
以下略



947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:01:08.09 ID:jdPmmt0K0
E=04エリアの御神島小中学校は現在行われているプログラムの本部となっており、未だに田中顕昌(男子十一番)の亡骸が転がったままの6年生教室の隣の多目的教室は普通の教室の倍程の広さがあるのだが、今は多数のモニターや機材が運び込まれているためにそう広さを感じない。

「おー、怖い怖い」

つい先程まで動きのあった3班と6班のメンバーの盗聴(生徒たちがはめている首輪には盗聴機能が付いており、これで行動の詳細を知ることができる。もちろん、不穏な発言をする者を警戒することも可能だ)をスピーカーで聞いていたライド(担当教官)は、彼らの会話の内容を聞いた感想をそう表し、肩を竦めた。
以下略



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