過去ログ - 葉隠「10割占い」霧切「後日談よ」
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984:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:54:19.12 ID:jdPmmt0K0
しかしそれもつかの間、聞こえた独り言に、由梨の希望は打ち砕かれた。
「誰もいない…か、ふぅ…」
それは、由梨が女子の中で恐れている、プログラム対象クラスに選ばれたかもしれないとクラス中が騒いでいたにも拘らず無反応だった不良少女、上総真央(女子4番)だった。
985:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:55:21.13 ID:jdPmmt0K0
S&W M36 チーフス・スペシャルという名称を持つ回転式拳銃だが、由梨の知るところではない。
由梨はミリタリーポリスを手放し、その場に膝を付いた。
とてつもない痛みに、腹部を押さえて呻き声を上げた。
足音が聞こえ、真央が近づいてくるのがわかると、由梨は痛みと恐怖に歪んだ顔を上げた。
986:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:56:05.08 ID:jdPmmt0K0
あぁ、ムカつく、気分最悪!!
なんであたしがこんな目に合わなきゃならないんだっ!!
中田智江子(女子12番)の機嫌は最悪だった。
それは、突然プログラムという非現実的な環境に放り込まれた事が原因だ。
987:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:56:45.01 ID:jdPmmt0K0
ところが、智江子にはクラスメイトの大半は信用する事ができないし、向こうにしても自分を信用してくれるとは思えない。
仲間にできそうと言えば、とても大人しくいつも何も言わず智江子に付き従っている上田昌美(女子2番)や、同じ部活に所属するウドの大木である加堂啓(男子4番)くらいだろう。
園田茂樹(男子7番)も交流はあるが、茂樹は利己的なお坊ちゃんなので、プログラムという状況に放り込まれた今、周りを犠牲にしても優勝すると考えている可能性はかなり高いので信用できない。
昌美か啓、どちらかで良い。
988:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:57:37.99 ID:jdPmmt0K0
昌美の声が、低く唸った。
いつものか細さなどどこにもなかった。
智江子は我が耳を疑った。
そして、次の瞬間、背中に痛みが走った。
989:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:58:11.24 ID:jdPmmt0K0
ばっと目の前に人が立った。
その人物を見るよりも先に目に入ったのは、銃口。
「きゃあっ!!」
990:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:58:52.40 ID:jdPmmt0K0
もうすぐ昼前という事もあり、日はほぼ真上に昇っている。
日向ぼっこには最適なぽかぽか陽気である。
しかし、今の状況はそんな暢気なものではないが。
緑豊かなこの古鳥島は、住宅地や港などの建物がある場所以外はほとんど切り開かれておらず、手入れもほとんどされていないままなのか、木々がぼうぼうと覆い茂っている。
プログラムという状況下では、隠れる場所が多いという利点があるが、それは同時に死角が多いことを意味している。
991:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 09:59:34.12 ID:jdPmmt0K0
女子21番・淀野亜美加(よどの・あみか)
陸上部マネージャー。女子主流派グループ。
おっとりしているが、自分の意志を通す強さを持つ。
992:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 10:00:28.20 ID:jdPmmt0K0
あと40分ほどで禁止エリアとなるE=02エリアは、住宅地の一部と岩場があるが、半分は海となっている。
海上に逃げれば、逃亡とみなされて殺されてしまうらしいので、当然誰もいない。
よって、このエリアの半分には禁止エリアなど意味がない事になる。
しかし、陸側には人がいた。
民家から200メートルほど離れた岩場の傍に、2人の少年少女が座っていた。
993:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 10:00:57.75 ID:jdPmmt0K0
男子15番・二松千彰(ふたまつ・ちあき)
994:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/11/29(金) 10:01:37.58 ID:jdPmmt0K0
F=06エリアにある農協は、古鳥島にある2つの住宅地から等距離の所に位置している。
古びたコンクリート製の2階建ての建物で、1階部分には事務室のような部屋と、集会所のような部屋がある。
ここが、島民の集う場所となっていたのだろうか。
その事務室のカウンターの裏、4人の少年たちが輪になって座っていた。
胡座をかいていた因幡彰人(男子2番)は、ふぅ、と溜息を吐いた。
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