15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/11/22(金) 11:13:26.34 ID:/SL6zkYoo
 スマートフォンを確認する。メールが2件。いずれも妹だ。 
 1件目は予想通り、土産の催促である。 
 食べ物から装飾品から、色々と注文してくれている。 
  
 全部は買ってやれないぞと苦笑しながら2件目を見ると、一番の土産と前置いて、楽しい思い出、と表示されている。 
16: ◆gIYX1xRWqRqj
2013/11/22(金) 11:17:38.07 ID:/SL6zkYoo
 さしあたっては以上になります。 
 需要も特にない話になりそうですが、8巻ラストで盛大に曇った心を癒そうと書き始めたらあれよあれよというまに1万5千字を突破し、せっかくなので投稿してみようと思った次第です。 
 少しでも楽しんでいただけることを願いつつ、続きは1両日中にも投下したく思います。 
 ありがとうございました。 
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 11:53:18.24 ID:5k/CLtH6o
 読んでる。期待 
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 12:38:35.40 ID:qxpyfln8o
 こうゆうの好きだよ。 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/11/22(金) 17:25:53.89 ID:/pmi4Yz5o
 関西の方? 
20: ◆gIYX1xRWqRqj[sage]
2013/11/22(金) 17:31:08.91 ID:/SL6zkYoo
 >>19 
 ええ、まあ、ずばり 
 旅行先のモチーフは関西圏の温泉街です。随分と絞られますね。 
 ただSS上では千葉から電車で3,4時間程度の架空の場所というふうに設定してあります。 
 ちぐはぐな物言いではありますが、ご理解いただければと思います。 
21: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:37:44.50 ID:/SL6zkYoo
 考えた結果、八幡はやはり先に腹ごしらえをすませることにした。 
 このあたりは温泉街として有名であるが、食事の方はそう特筆するものでもないようで、下調べの際にもこれといった食事は見当たらなかった。 
 ここはひとつ、後々に控えている温泉や夕食のことを考えて、軽くて消化の良いうどんでも食べようかと考える。 
  
 先ほど通った小川を、下流に沿って歩く。 
22: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:39:07.45 ID:/SL6zkYoo
 中に入ればやはり変哲のないごく普通のめし処で、いくつかの机に椅子があり、客の入りもそこそこのようであった。 
 店の奥の厨房には初老の男性が調理をしているのが見えた。 
 そのうちに男性と同じ年くらいの、おそらくは伴侶であろう女性に案内を受け、椅子に座る。 
  
 角ばった木製の椅子で、臀部に座布団が敷いてあるだけのものだから、座り心地は良いものではない。 
23: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:40:24.61 ID:/SL6zkYoo
 当初の予定通り、うどんを頼む。気温が高いので、ざるを頼んだ。 
  
 そういえば、と八幡は思い出す。 
 かつての知人の姉、今では友人といっていいかも知らないその人いわく、ざるそばに日本酒が合うらしい。 
 無論八幡は未成年だから酒を頼むわけには行かないが、二十歳を迎えたらざるそばと日本酒の組み合わせというものを試してみるのも良い。 
24: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:41:24.50 ID:/SL6zkYoo
 至極一般的なざるうどんである。特筆すべき点などない。 
 だがだからこそ、不変的な価値があるように思えて八幡には好ましく感じられる。 
  
 食事に取り掛かる前に、手を合わせ、いただきます、と呟いて割り箸を割く。 
 まずはつゆにきざみねぎとわさび、うずらの卵をいれ、ゆっくりとかきまぜる。 
25: ◆gIYX1xRWqRqj[saga]
2013/11/22(金) 17:42:17.55 ID:/SL6zkYoo
 静かに啜れば、口いっぱいにまろやかな甘さとすこしの辛さが広がる。 
 汁気に負けないほど濃く主張する旨みの刺激が、舌を悦ばせる。 
 一口分を口に含み、ゆっくりと噛む。弾力のある麺は噛めば噛むほど口中で躍動し、つゆと共に多幸感をもたらす。 
 時折つん、と鼻を刺激するわさびの感触に、きざみねぎの食感、うずらのぬめりとした舌触りが味に彩りを加える。 
 満足いくまで顎を働かせれば、なめらかに喉を通り胃へと流れていく。 
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