1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:54:50.66 ID:7uDsyhBso
アイマス
あずちは
以上
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:55:37.19 ID:7uDsyhBso
私は彼女の優しさを利用した。
私は彼女の優しさに付け込んだ。
私は彼女の優しさを裏切った。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:56:33.80 ID:7uDsyhBso
最初、彼女は他の人たちと同じように私の興味を引くものではなかった。
アイドルになってばかりの頃の私は他人にも自分にも価値を見いだせず、どうにか好きでいられたのは歌うことと歌を認めてもらうことだけだった。
歌の練習をして歌を披露する。日々の全てはその繰り返しで、他人と分かり合うことも、他人と楽しもうとすることも私はしようとしなかった。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:57:50.26 ID:7uDsyhBso
最初に私の手を握ってきたのは春香という女の子で、双子が手を引っ張り、高槻さんが手を繋いだ。四条さんの手が背中を押して、萩原さんの手が肩に乗り、真の手が肩に回る。我那覇さんが笑いかけてくれて、美希に抱きつかれ、あずささんは頭を撫でてくれた。水瀬さんにはやる気がないと怒られ、律子には今のままではダメだと叱られ、プロデューサーには協調性を持てと窘められた。
最初は与えられる好意に戸惑い、かなり酷い態度を取っていた。手をはねのけ、挨拶は最低限に終わらせ、笑顔には何も返さない。怒られても叱られてもツンとして、本当に可愛くなかったと思う。
だけど、皆の温かさに触れ合っていくうちに他人に対して冷たくなっていた心には光が灯り、絡まっていた意固地と強がりの糸は解けて消えていった。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/12/02(月) 22:59:34.56 ID:7uDsyhBso
それが好きな人に変わったはっきりとした瞬間は、恐らくないだろうに思う。
ゆっくりと憧憬が形を変え、尊敬は徐々に熱を持ちはじめ、友情の中には穏やかに愛情が生まれていく。
成果を一番に報告したい存在になり、彼女に褒めてもらいたくて頑張るようになり、子供扱いされることに一等落ち込んだ。頭を撫でてくれるたびに喜びが増え、抱きしめられる幸せが大きくなり、悩ましげに伏せられる瞳に心臓は早鐘を打つようになる。
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