10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2013/12/07(土) 00:27:16.12 ID:gLkbd9Kt0
「その子は契約するわ、私と」
少女の口角が上がった。今朝の、ぞっとするような笑み。背筋が凍るとはまさにこのことだ。
男の人もわずかながらひるんだようだ。
「……大した自信だな。まあいい。こいつ、まだ唯の人間なんだろ?さっさとこいつ連れて山を下りな。能力者でもない人間が山をうろついてるなんて知れたら俺のクビがとぶ」
「ええ、そうさせてもらうわ。それにここであばれちゃったらおこられるものね。おばあちゃんにも会いにいかなきゃ」
「……お前、何故それを……」
また再び怒りがわいてきたような男の人が飛びかかる前に、少女は身をひるがえした。
「行きましょ」
それが私に対しての言葉だと悟るのに数秒かかった。私はもう先に行っている彼女を見て、まだにらみつけている男の人にペコリ、と頭を下げるとあわてて追いかけた。
「ねえ、あなた、名前は?」
ほどなく追いつき礼を言おうと口を開きかけると、また先をこされた。
私は開きかけた口を一度閉じると、今度は名乗るため口を開いた。
「光陵高校1年、夏……」
「高校名はいいわ。制服見たらわかるんだし」
そう言われて私は、そういえばそうだ、と思い出した。
それに今朝会ったんだっけ。彼女も同じ制服ってことは、先輩だろうか。
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