過去ログ - 日向「信じて送り出した七海が」狛枝「2スレ目かな」
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/05(水) 05:02:15.32 ID:peHDovB80
今しがた雪美のチームメイトである榊原賢吾(男子七番)と湯浅季莉(女子二十番)に襲われたばかりだというのに、雪美の涙声での訴えに、雨宮悠希(男子三番)と川原龍輝(男子五番)の顔には動揺が見て取れた。
ホント、男って女の泣き落しに弱いんだから。
しかし、華那は眉をハの字に下げたものの、その瞳から警戒の色は薄れなかった。
「…探してくれてありがとうね。
でも、雪ちゃん、かなたちのこと襲ったよね…?
かなたちの…かなのこと、殺そうと思って探してたの…?」
思っていた以上に警戒されているようだ――雪美は一瞬ぴくりと眉間に皺を寄せたがすぐにそれを解き、ふるふると首を横に振った。
「ち…違う…そんなわけないじゃない…!
賢吾と季莉ちゃんも、悪気があったわけじゃなくて…
あ、あたし、リーダーだから…護ってくれようとしただけで…ほら…!」
雪美はセーターとブラウスの袖を捲り上げ、リーダーの証である黒い王冠の模様を華那に見せた。
リーダーが誰かということを他の班の人間に見せるのは百害あって一利なしなのだが、まあ問題ないだろう。
「ねえ、鷹城さん…訊いてもいいかな…?」
あたしと華那ちゃんの会話を邪魔しないでほしいわね、まったく――という本心はもちろん口にも顔にも出さず、雪美は問いかけてきた悠希に視線を移した。
山本真子(女子十九番)を庇って季莉に刺された肩は相当痛むようで、端正な顔は苦痛に歪んでいる。お気の毒に。
「俺たち、鷹城さんたちの班と麗たちの班しかまだ出発してなかった時に、銃声を
聞いたんだけど…
あれは…鷹城さんたちなの?
麗は『やらない』って言ってたのに、それでも護るとか言って、攻撃したの…?」
雪美は再び僅かにぴくりと眉を上げた。
成程、いつも主流派グループの中で馬鹿みたいに騒いでいる馬鹿な集団の一員だという認識しかなかったが、悠希は痛みに苦しみながらも頭はしっかりと働いているらしい――少々侮っていたようだ。
悠希の指摘通り、雪美たちは教室を出発してそう時間が経たないうちに、本部から左程離れていない場所で、一足早く教室を出発していた城ヶ崎麗(男子十番)・木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)を発見した。
このメンツを見た時に、リーダーに指名されていそうな人物はどう考えても麗しかいないという予想をし、雪美は賢吾に指示をして麗を襲わせた。
しかし賢吾が襲いかかる直前に健太と紗羅に勘付かれてしまい、季莉に紗羅を攻撃するように依頼したのだがこれも麗に阻まれ、結局逃走を許してしまった。
「ハズレ、逆にあたしたちが撃たれた側なんだけど。
あれ、木戸よ?
ま、誰にも当たらなかったから良かったけど」
口を挟んできた季莉を睥睨した。
どのように話を運ぼうか考えることを楽しみながら言葉を紡いでいるというのに、季莉に邪魔されては興醒めするではないか――と思ったのだが、独りでべらべらと喋るのも怪しまれるかもしれないので、視線が合った季莉には笑顔を見せ、視線を華那たちに戻した。
「あたしたち…逃げたの…
城ヶ崎くん、『乗らない』って言ってたから、声を掛けようとしたのに…」
流石にこの情報には衝撃を受けたようで、とろんとしていた華那の目が小さいながらもいっぱいに開かれていた。
「まさか…」
いつも勝気で元気一杯に馬鹿なことをしている龍輝が、驚愕と悲愴を混ぜたような打ちのめされた表情を浮かべ、唇を震わせていた。
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