過去ログ - 佐久間まゆ「いつもあの子がそばにいる」
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aho
◆Ye3lmuJlrA
[sage]
2013/12/16(月) 21:47:50.64 ID:pFDECU7w0
「ねぇ、小梅ちゃん。小梅ちゃんのお友達の……あの子、は、どうして私のことを好きになってくれたの?」
「ど、どうして……? え、えっと……」
小梅が何か躊躇っているようだったので、まゆは安心させるように微笑みかけた。
「大丈夫よ。今ここでその子とお喋りしても、私は大丈夫」
「う、うん……じゃあ、訊いてみる」
小梅はそこで初めて、あの子の存在を示唆するような行動を取る。
まゆから目をそらし、自分の上方に視線を向けた。まるで誰かと話しているかのように小声でぽそぽそと何か呟き、何度か小さく頷く。
それから、何かとても納得したような様子で、まゆに向き直った。
「あ、あの子、まゆさんが私を助けてくれたから、好きだ、って……」
「私が、小梅ちゃんを?」
そう言われて、まゆは少し驚く。
小梅とはそこまで親しくしていたわけではないし、日常の細々としたこと以外、何かをしてあげた記憶は特にないのだが。
小梅はまゆの困惑を見て取ったらしく、たどたどしい口調で一生懸命説明する。
「わ、私、アイドルになった頃……事務所の人たちと、う、うまく、お話出来なくて……で、でも、まゆさんは、ちゃんとお話、聞いてくれた、から……」
「……あぁ」
そう言われて、ようやく思い至る。
確かに、そんなことがあったかもしれない。小梅が何か言いたそうにしていたとき、自分から声をかけて、黙って話を聞いてあげたことが。
まゆにしてみればそこまで特別なことをした覚えはなかったが、小梅と、いつもそばにいるあの子にとっては違ったのだろうか。
「わ、私……私、も、感謝、してます」
小梅は頬を赤くして恥ずかしそうに、つっかえつっかえ言う。
「い、い、今まで、言ったこと、なかったけど……わ、わたし、話すの、苦手で……で、でも、まゆさんが、落ちついて、話、聞いてくれたから……凄く、嬉しくて……安心、できました」
そう言い、深々と頭を下げる。
「あ、ありがとう、ございました……! い、今まで、言えなくて、ごめんなさい……」
「そんな、謝らなくてもいいのよ。でも、そう……そうだったの……」
まゆは少しの間そっと目を閉じて、あの頃のことを思い出した。
何故、自分は小梅の話を聞いてやろうとしたのか。単に周囲に対する気配りの一環だったろうか。
いや、そうではない。
「……私が小梅ちゃんの話を聞いてあげようって思ったのは、きっと、小梅ちゃんが私に似ていたからだと思うわ」
「わ、私と、まゆさんが……?」
驚く小梅に、まゆは目を開けて「そう」と微笑みかける。
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