過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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10: ◆NrFF2h.q26[saga]
2014/01/16(木) 00:39:17.50 ID:6FWh8EjZO

AI「空、蒼いんだなー」



呑気な声が聞こえたので目の前を見ると、AIは感心した様子で窓の外を見ていた。
ここは第二地球という名の通り、地球と瓜二つの星だ。
俺は地球には観光したことがなかったから、この透き通るような薄い蒼がどこまでも広がっているのを見た時にはびっくりした。


火星には自然の空が無い。
人々は皆、巨大なドームの中で暮らしている。
ドームの中には人口太陽が照らしており、青空はスクリーンで作られている。
重力も含め、ドームの中は限りなく地球の地上を再現しているが、歩き続けるといつかはドームの壁にぶち当たるし、いくら青空のスクリーンが美しくても、ドームの外にある本当の宇宙の真っ暗闇や、遠くにある星の輝きを見ると、どうしても偽物である感じが付き纏った。
これは俺個人の感想ではない。
500年間、火星に生きてきた人類が、ずっと感じ続けてきたことなのだ。



火星に来て、人は精巧な偽物の地球の地上をそこに作った。
それでもドームの中はどこまでも偽物で、人工物に囲まれた生活に人間はストレスを溜め込んでいった。
地球に生きたことのない生粋の火星生まれ火星育ちの世代になっても、そのストレスはどうしてだか消えることがなかった。
それを誤魔化すタメなのか、反動的に様々な目覚ましい技術を生み出だされていき、結果、加速度的に火星はボロボロになっていった。



男「皿はしまっとけよ」

AI「へいマスター」



アンドロイドさえ、どこか郷愁の念を含んだ目を向ける、この空を見始めてから、今は三ヶ月目。
任期は五年。
この空を見れるのは、あと五十七ヶ月ほどだ。
それをこのAIと見ることがどんなことになるのか、俺には想像も付かなかった。





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