過去ログ - 男「お前、本当にアンドロイドなのか」AI「なんでんなこと聞くんだ?」
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19: ◆NrFF2h.q26[saga]
2014/01/19(日) 00:36:40.49 ID:NXXYlcGhO

〜AI起動 13日目〜



目を覚ますと、第二地球開拓センターの外には雪が降っていた。



AI「雪だー!!」



AIがはしゃいでいる。
濡れても防水加工が施されているので大丈夫らしい。
そもそもこいつは風呂にも入っているのだ。
雑菌の処理なら、わざわざ風呂など入る必要はないと思うが、日本の文化に合わせるためだろうか。


AIはしっかり防寒対策の上着やマフラーを身体にぐるぐると巻き、降り積もる雪の中、せっせと雪だるまを作っていた。



男「さむっ」

AI「あ、お前も作りたいのか?」

男「誰が作るか」



気象データでは今日は雪は降らないハズだったのだがな。
こんな予定外の天候が起こることが、1300年も前の頃の地球では当たり前だった。
人類が火星に移り住んでからの天候はドームで完全にコントロールされ、雨を降らせるから傘は忘れるなとか、雪を降らせるから気を付けろ、というのが天気予報ならぬ天気告知だった。


天候を管理出来るのは、人類にとってかなり便利なことだった。
だがそれは、自分たちが偽物の箱庭の中で暮らしているという宣告にほかならない。
地球を捨ててから、どうやっても消えることなく人間の心に存在する地球喪失のストレス。
それには、人間の手に負えないこの自然が一番の特効薬だ。
だからこそ人間は、躍起になってこの星を開拓し続けている。


だが、自然は時に人間を深刻に脅かす天災をもたらす。
どうして新たな星を手に入れられるほどの技術を持った人間が、今も尚、それに心から寄りかかってしまうのだろう。



AI「また黄昏れてるなぁ〜」

男「前までは一人で妄想し放題だったからな……」

AI「なんだその顔」ムッ



するとAIは当然しゃがみこんだ。
そして地面の雪を掻き集め、俺を意味深に見上げるとーー。



男「」バフン!

AI「名付けてスノーキャノンと言ったところかな……」フッ

男「……」

男「どういうことだ……人間に危害は加えられないのだろう」

AI「どう考えても危害にならないじゃん。転倒するほど強く投げてないし、万が一転倒したとしてもこの付近には大きな石は落ちてなかったし、そもそも俺が全力で駆けつければ転ぶ前に助けられる」

男「なるほどな……これは危害に含まれないと判断したから実行できたワケか……納得だ」

男「などと言うわけないだろ!」ブンッ

AI「おうふっ」ビチャァ






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