6: ◆ukweaVAfH6[sage saga]
2014/01/17(金) 16:54:56.16 ID:a+mChnfb0
男(よし、今日は空いてる)
僕がたどり着いたのは幹線道路の道の駅だ。観光シーズンであれば、必ず遅くまで開いているのだけれど、
冬から春へと移り変わる中途半端なこの季節では、時折早仕舞をしてしまうのだった。
7: ◆ukweaVAfH6[sage saga]
2014/01/17(金) 16:58:49.04 ID:dnfxQ29l0
男「泥棒だなんてひどいじゃないか。僕はただ、少し暖かい寝床を探して辿り着いただけなのに」
女「じゃあ、宿泊代をいただきます」
男「すいません。僕は泥棒ということで結構です」
8: ◆ukweaVAfH6[sage saga]
2014/01/17(金) 17:00:48.26 ID:dnfxQ29l0
晩御飯。
9: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 20:29:35.07 ID:dnfxQ29l0
女「まあどうせあんたが私を幸せにしてくれる訳なんてないんだから……」
男「じゃあいつも通りお世話になります」
女「あんたのその泊めてもらって当たり前って態度が滅茶苦茶むかつく」
10: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 20:36:15.30 ID:dnfxQ29l0
男(寝床を得られただけ、良しとしよう)
男「おやすみ、剥製くん」
魂を抜かれた剥製は何も答えはしなかった。
11: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 20:50:19.41 ID:dnfxQ29l0
目が覚めるといつも通り通用口から脱出する。
何度目かに寝床を借りた時に、鍵をポストに入れてくれれば勝手に出て行ってくれて良いと
女のお母さんに言われたのだった。僕は少し早起きが過ぎるらしい。
外はまだ薄暗く僕以外に目覚めていそうなのは、新聞配達員と小鳥だけのような気がする。
12: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 20:54:21.79 ID:dnfxQ29l0
男「おはようございます」
男「おはようございます」
男「おはようございます」
13: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 21:00:13.62 ID:dnfxQ29l0
店長「おう、男。今日ははえーな」
男「不本意ながら」
店長「また居場所が無くなったか?まあ、入れ入れ」
14: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 21:13:32.22 ID:dnfxQ29l0
店長「あー食った食った。お前今日も弾くか?」
男「ごちそうさまでした。ええ、弾きます」
店長「そうか。わかった」
15: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 21:24:04.96 ID:dnfxQ29l0
ひと通りの準備が終わって、一番最後に僕の相棒を引っ張りだす。
日に焼けて、薄茶色になってしまった古い古いアップライトの電子ピアノ。
楽器に詳しい人が見ればすぐにわかるような高級モデル。
ボロボロになってしまってはいるが、音はとても素晴らしい。
16: ◆ukweaVAfH6[saga]
2014/01/17(金) 21:28:05.68 ID:dnfxQ29l0
店長「……珍しいな。お前がいつもと違う曲を弾くなんて」
男「そういう気分だったんですよ。幸いまだお客さんは来ていませんから」
店長「いつもと違う曲だから、ミスばっかりだったけどな」
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