13: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:16:14.85 ID:lC4fHmx5o
「……また、Pさん怒鳴られてるよ」
「課長もむちゃくちゃだからなぁ……。Pさんには悪いけど、あの役目が俺じゃなくてよかったよ」
周りの同僚から、そんな声が聞こえる。ああ、おっしゃるとおりですとも。所詮は契約社員上がりの正社員だ。同僚に比べると給料も能力も、二回りは落ちる。
14: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:16:41.16 ID:lC4fHmx5o
『あの、すみません。課長の午後のプレゼン、詳細を教えていただけないでしょうか』
すると、その同僚はまたですか、という表情を浮かべ、傍のファイルをしばらくめくり、
「テレビの番組再編に伴って、新しい番組の売り込みのためのプロモーションですね」
15: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:17:24.69 ID:lC4fHmx5o
『ありがとうございます。では』
俺は、軽く礼をすると、作業に取り掛かるために部署を後にする。
(……そういや、同僚に優しくされたのは久しぶりだなぁ)
16: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:18:05.64 ID:lC4fHmx5o
最初は優しかった同じ部署の同僚も、課長が指図を始めてからは俺と関わることを避け始め、最近では課長のいないときに二言三言交わすだけである。
他の部署に関しても、なぜか接触を控えるように言われている。若干この企画課は閉塞的すぎでは、と思うこともあるが、まあ俺には関係のないことなのかもしれない。
『ともかく、時間がないからなぁ……。とっとと、プレゼン資料作らないと』
17: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:18:32.77 ID:lC4fHmx5o
『割と、まあ何とかなりそうかな』
そうやって十数分、資料を漁っていくと、とりあえず雛形に当てはめるだけの作業を行っていく。タレントの趣味、特性、特技を調べて、また人選をしていく。
結果、一時間もする頃には二十枚ほどの簡単な資料が出来上がっていた。もちろんだが、出来はお察しである。
18: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:19:05.12 ID:lC4fHmx5o
『うし、出来た』
能天気にそんなことを呟くと、資料室を後にして、自分の部署へと戻った。
部署に戻ると、まだ課長は戻ってきていないようで、仕方がないから課長のデスクの上に置いた。マナー違反かもしれないが、また内容で怒鳴られるのは勘弁だ。
19: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:19:36.20 ID:lC4fHmx5o
「ああ、まあそんなに堅くなくてええぞ。ちょっと頼みごとがあってなあ。頼めるか?」
『ええと、ああ、はい。構いません』
何でわざわざ俺に、面倒そうな話題かもしれない、と思ったものの、もちろんのこと断る度胸も精神力も持ち合わせていない俺は、二つ返事で答えてしまう。
20: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:20:32.93 ID:lC4fHmx5o
『これを、どちらに?』
「うん、Pくんはシンデレラガールズ・プロジェクトっちゅうの聞いたことあるか?」
『シン……? いえ、知らないです』
21: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:21:03.66 ID:lC4fHmx5o
「そいじゃ、頼んだで。俺は今からプレゼンに出なあかんからな」
そういうと、部長はそのままのそのそと去って行った。
『……うーん?』
22: ◆m03zzdT6fs[saga]
2014/01/20(月) 19:21:59.48 ID:lC4fHmx5o
本日の更新は以上です。次回更新は、定期更新となるため来週の月曜日となります。
巷ではフルやノロが流行っているそうですので、皆様お体にはお気を付け下さい。
それでは、ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
23:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/01/20(月) 22:11:55.86 ID:07MCR3yYo
おっつおっつ
これは有能を踏み台して偉ぶってる上司マジ畜生ですわ・・・
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