過去ログ - モバP「赤色の恋心」
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5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/01/28(火) 22:35:57.80 ID:4dDXRU7No


「ところで今日は何がしたい?」
 いつもの状態。俺と翠がテーブルに座って対面して話をするこの状況。
 何ら変わりない日に、何ら変わりない言葉で問いかけた。

「Pさんはどうですか?」
 傷まみれの椅子であろうとも膝に手をおいて姿勢よく座っている翠は、くすり、と笑って問い返してくる。

 このパターンも過去何度やってきただろうか。
 大体、これで俺が返答しても帰ってくる答えはいつも同じである。
「俺が聞いてるんだぞー?」
「私も聞いてるんですよー?」
 問いかけた順が先か後かなどという問題は完全に無視をして俺の真似をした翠は、堪えきれなくなって再び笑みを漏らした。

 こういう感じで、例え俺がどこかに行くか訊こうものならすかさず返してくる。
 まるで全て俺に任せますと言わんばかりだ。


 しかし、決して彼女の態度は悪いものではない。
 他者に判断を委ねて意思を消し去ることは確かに良いとは言えないが、翠はそういう意味でこのような発言をしたのではなく、言ってしまえば単なる冗談なのだ。

 そう、冗談である。
「じゃあ……休むか」
「そうですね、休みましょう。ふふっ」
 行きたい所があるのなら、翠も我慢はせずに提案してくる。
 それもこれも、あの時からずっと一緒に居たおかげなのだろう。当時のままであったならこうはいくまい。


「とりあえずテレビでも付けるか」
 やることが無ければ殆どの人間がするであろう行動であるテレビの電源を付けるという行動をまるごと真似ると、ちょうどお昼のバラエティ番組の画面が映り込んだ。

 放送している内容もトークもそれなりにくだらないとは思うが、それでもたまにはこういう番組が見たくなるのは日本人の性というべきか。無論、嫌いな人もいるんだろうけども。

 色々雑談という時間つぶしはあろうとも、ひとまず俺も翠もそのテレビ画面を見ることで細やかな時間を過ごし始めたのであった。






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