15:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/01/29(水) 21:20:39.19 ID:Y5VyRhna0
◇
さやかと別かれた後、ほむらは駅前の大通りを自宅に向かって歩いていた。
この地域は都会を目と鼻の先に見据えるベッドタウンとして、見滝原市内でもわりと大な規模で発展している。
休日とラッシュの時間帯は結構な人通りなのだが、まだ日も落ちきっていない今の時間ではまだ人影もまばらだ。
道の各所から調理パンやら茹でた麵類の匂いがたちこめている。
ほむらはそれらの店に視線を奪われながらも、その誘惑に負けそうになるのをぐっと堪えて、
冷蔵庫に何があったかな、と晩御飯の献立を考えていると
行き交う人々の隙間に見える、ある人物の後ろ姿が目に留まった。
ほむら「ん……?」
ほむらと同じ見滝原中学校の制服に身を包む、長い黒髪を腰まで伸ばした少女。
その少女は表情が見えるかどうかの角度で後ろを振り向きながら、歩道の真ん中で立ち止まっていた。
ほむら(あの子……もしかして……)
少女のシルエットを見て直ぐにピンと来た。
最近よく見る……というより今朝も見ていた。
ほむら(夢の中の……?)
ふっ、と髪を翻して少女は歩き出すと、大通りを外れ狭い路地へと姿を消した。
ほむら「あ……待って……!」
無視してそのまま帰る。という選択肢は浮かばなかった。
ほむらは魅入られたようにフラフラと少女の後を追って同じ路地へと入っていく。
奥へ奥へと迷路のような路地を進んでいく少女。
ほむらは何度も見失いそうになりながら、後をつけて進む。
薄暗くなった路地に街灯が次々に燈っていく。もうすぐ日が落ちようとしていた。
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