32: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2014/03/30(日) 11:09:30.69 ID:YGMdcVfr0
午後の授業を終え、帰路に着いた。
とはいっても、校門を出れば目の前はひだまり荘だから、下校の時間は一瞬だ。
階段を上がろうとすると、どこかの部屋のドアが開く音が聞こえた。
ヒロ「あら、なずなちゃん、おかえりなさい」
なずな「あ、ヒロせんぱい」
ヒロ「ちょうどよかったわ、今日の夕飯、うちでみんなで食べない?って言いに行こうと思ってたの」
なずな「いいんですか?」
ヒロ「もちろん♪」
なずな「……あの、お勉強、とかは……」
ヒロ「大丈夫よ、たまにはみんなとご飯食べたいな、って」
本当なら、手伝います、と言いたかったけれど、私じゃ足手まといになるだけだから、
「夕ご飯楽しみにしてます」とだけ言って私は部屋に戻った。
やっぱり、せめて人並みにはお料理もできるようにならなくちゃ。
それが先輩たちと私のいなくなる春までに叶うかは分からないけれど……
部屋に戻って1人になると、昨日からのことを考えてしまう。
食堂のフェア、クラスの男子に告白されたこと、両親が東京に戻ってくること。そして、
泣いてしまった私を乃莉ちゃんが抱きしめてくれたこと。
ベッドに寝転がり、目を閉じる。あのときのドキドキが、今でも残っているような気がした。
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