過去ログ - 素直なミミズ、たこ焼きと会う
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3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:14:55.84 ID:d82Zhadgo
ミミズはたこ焼きが何も喋らず、その場から立ち去ろうともしないことから、
少なくとも相手が自分に悪い気持ちを抱いていないと考えた。

話しかけても問題はないはず。決死の思いでミミズが言葉を発した。

以下略



4:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:17:04.08 ID:d82Zhadgo
どんな無礼をしてしまったのだろう? ミミズは頭をフリフリ思考する。

「こんにちは」がおかしかった? いや、そんなはずはない。

明るさを感じるということは今は夜ではないはずだ。
以下略



5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:19:19.18 ID:d82Zhadgo
しかしだからといってこのミミズを、
他のミミズたちと比べてひどく劣った愚か者だとみなすことはできない。

それどころか、たこ焼きを生き物と勘違いしたという失態に目を瞑れば、
彼の頭脳は優秀ですらあった。
以下略



6:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:21:34.69 ID:d82Zhadgo
にもかかわらず、自分がどんな奇跡を起こしたかに気付かず、
ミミズはただただ恐縮している。

自分の無知を恥じて頭を垂れている。

以下略



7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:27:22.18 ID:d82Zhadgo
土のほどよく冷えた、あの慣れ親しんだ空間に帰りたい……。

もう、帰ろうか……。

うん、そうだ、帰ることにしよう。
以下略



8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage]
2014/03/13(木) 20:27:32.43 ID:RTMZ6i/4o
なんだこの引き込まれるような題名は


9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:31:26.85 ID:d82Zhadgo


「あのね、僕は見ての通り土生まれ土育ちの世間知らずな若造なんだ。
 それも長いこと外気に曝され続けるのすら初めてなくらいの奴さ」
 
以下略



10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:35:32.56 ID:d82Zhadgo
静寂が続く。

ミミズはたこ焼きが自分に対して何もしてこないこと、
否定の言葉を口にしないことの両方を肯定の意思表示と捉えた。

以下略



11:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:37:16.45 ID:d82Zhadgo
「それじゃあまた。失礼」

ウキウキとした気持ちで、ミミズは土に潜ってずんずんどこまでも進んでいく。

完全に浮かれていた。
以下略



12:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:48:09.73 ID:d82Zhadgo
けれども彼とたこ焼きが出会った数か月後のことである。

ミミズがひょっこり地面から首を出したとき、
彼の目にまず留まったのはスーパーボールだった。

以下略



13:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/13(木) 20:52:41.72 ID:d82Zhadgo
「再会場所を決めておかなかったのは本当にマズかったねえ。
 やれやれ、こんなに一人で居続けることがつまらなくなるとは思わなかった」
 
「君に話したいことが山ほどあるんだ。
土の中の話で君にとってはつまらない話かもしれないけど、聞いてくれるかな?」
以下略



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