26:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[saga]
2014/03/26(水) 20:03:09.30 ID:NrmcVnPo0
何の変化もしない。今まで通りを繰り返す。
冷蔵庫に食材がない事。二人揃っての朝は肇がコーヒーを煎れてくれる事。
………肇が俺に気を遣う事。肇の表情に悲しみの残滓がある事。
砂糖もミルクも入れず、息を吹きかけて冷ますこともせず、俺はそのままコーヒーを流し込んだ。
「仕事に行ってくるから………」
「私も一度寮に戻りますね。一緒に出社なんてしたら何を言われるか…」
不安気に言った肇であったが、その奥には確かにその状況を待ち望んでいると思われる表情が見て取れた。
隠された関係を公にして心の重圧を取り払いたいのか。はたまた、皆に誇示したいのか俺にはわからない。
間抜けな俺にはわからない事が多すぎた。わからないという感情に慣れて、その言葉で全てを片付けんとする甘ささえも感じる。
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