過去ログ - 佐天「人を騙す能力、かあ…」
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65: ◆InfI0vlg76
2014/04/01(火) 22:52:47.85 ID:V7PLv1990

――二週間後


「食蜂さん、ありがとうございました!」

『本物の』佐天が頭を下げたのは、あの部屋の中ではなく。

いつもの公園――現実の方である。

ついに佐天は能力の制御を身に付け、『上書き(ドッペルゲンガー)』を削除。さらに能力自体も成長、と食蜂には感謝してもしきれない。

「あたしのためにこんな大変なことを…」

「どうってことないわよぉ。私はレベル5なんだゾ☆」

「ふふ、そうですね」

大きな胸を張る食蜂に思わず佐天も笑う。

食蜂はブランコから降りると、舌を出して佐天に指を向けた。

「あなたも大したものよぉ。まさか二週間ですむとは思わなかったわあ。操祈、びっくりだゾ」

芝居がかった仕草に心が和む。和むが、やはりこころに何かがつっかえた。

(御坂さんとか…みんなと、どんな顔して会えばいいの)

少し暗い様子を見せる佐天の前で、食蜂もやや表情を引き締める。もっとも、引き締めてようやく普通の笑顔くらいなのだが。

やがて食蜂が口を開いて――そこに、叫び声が聞こえた。

「直ったって書いてあるじゃないのおおおお!!!」

ドオオオン!と金属の自動販売機を全力で蹴飛ばすような音を聞いて、佐天と食蜂は顔を見合わせる。


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