266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/06/30(月) 09:41:44.68 ID:aFMIt3ru0
20
6号館の5階には図書室が存在する。
中はとても広く、個人で読書をするためにプライベートルームも存在する。
鍵もついており、隠れるにはうってつけの場所だ。
そして、そこには4人の女子が隠れていた。
「残りは……31人……」
近藤美穂(女子9番)は名簿はじっと眺め、小さく呟いた。
死んだ人には申し訳ないが、幸いにも友人の河瀬美希(女子7番)や若村朋美(女子20番)が呼ばれずホッとした。
「美穂、みんな、ちょっといいかな?」
木原燎子(女子8番)がその場にいるみんなに声をかける。
美穂を含め、みんなが燎子の方へ視線を向けた。
「そろそろさ、私達図書室から出ない?」
「え、何で?」
斎藤実里(女子10番)が疑問の声を上げる。
実里の隣にいる田中友里(女子11番)も実里と同意見らしく、首を傾げた。
「んー……だってここさ、入り口が一つしかないじゃない。逃げるのに不便じゃない?」
「不便って……鍵が掛かってるし平気よ」
「ううん、鍵を壊されたら終わりよ。そして殺されるわ。こんな風にーーー」
燎子はスカートに差し込んでたデザートイーグルを実里に向け、そしてーーー。
ぱんっ、と乾いた音が部屋中に響き渡った。
「え……?」
実里がぱたりとその場に倒れた。
額に穴を開けて。
そこから血がどくどくと溢れ出した。
「ひっ、あーーー」
友里が悲鳴を上げようとした瞬間、また銃声が鳴り、友里の左胸から血が噴き出した。
友里が倒れ、燎子は美穂に銃口を向けた。
「り、つこ……? ……何で……?」
震える声で美穂は燎子に尋ねる。
燎子はふふっと微笑んだ。
「馬鹿ね。生き残れるのはたった一人だけよ。じゃあね」
三発目の銃声が鳴り、美穂は倒れた。
美穂が最期に見たのはーーー燎子の姿をした悪魔だった。
終わった。
燎子はデザートイーグルを再びデイパックに仕舞った。
ホント、バカで助かったわ。
美穂も、友里も、実里も。
ホントに三人とも、私を信じてくれてありがと。
あんたらのことを美談にして親達に伝えるわ。
私を庇って死んだとても友達思いの女の子達だ、ってね。
ま、生き残れたらの話だけど。
ふふ、と微笑み、燎子は図書室を後にした。
女子9番近藤美穂 死亡
女子10番斎藤実里 死亡
女子11番田中友里 死亡
【残り26人】
472Res/399.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。