過去ログ - 少女「有言実行、しましょうか」
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131: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:57:32.91 ID:uoXohu1B0

 は? と新聞部は言った。とても、とっても辛辣な瞳が私を貫いている。こちらの正気を心底疑っている顔だ。その真剣さに思わず涎が出そうなくらい。
 彩人が襲ってくるのは予想外だったけど、そのおかげで能力者が判明したのは僥倖だ。我が校にいたなんてのはさらに予想外。でも、私に有利に運ぶ予想外なら、いくらでも大歓迎。

会計「何がおかしいのかしら。あの彩人は、愛する学び舎を破壊しつくす害虫よ。駆除しなくては」
以下略



132: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:58:40.83 ID:uoXohu1B0

 私を掴んでいる手を払って、唇に指を添える。

会計「企業秘密」

以下略



133: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 00:59:20.08 ID:uoXohu1B0

 『時は金なり』。

 私は新聞部の手を取って能力を起動する。
 途端、世界の構成要素が一斉に停止。喧噪やしがらみから遠く離れた別世界に、私たちは入り込む。
以下略



134: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:00:04.07 ID:uoXohu1B0

 新聞部は臥せていた眼をそっとあげ、私を見た。

 石か、駒か、ぱちんと鳴らす音が聞こえた。幻聴、のはず。

以下略



135: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:05:48.46 ID:uoXohu1B0

腕章「あたしが聞きたいのは二点。たったの二点」

腕章「能力。そして、どうして彩人に執着するのか」

以下略



136: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:06:17.54 ID:uoXohu1B0

 だから私にこの生き様が宿り、能力が宿ったのだろう。
 過去を買い戻すために。

腕章「あいつとの間に何かあった? ……ってわけでも、なさそうね」
以下略



137: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:07:33.94 ID:uoXohu1B0

 しかし、と私は考える。

 新聞部――「天網恢恢疎にして漏らさず」の能力は、やはりというべきか、予想通りの全知。彼女は学校範囲はカバー可能と答えていて、ならば当然私の仲間の侵入を知覚していないはずはないのだけれど、それを言うつもりはないらしかった。
 どこまで行っても敵は敵、か。
以下略



138: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:08:22.95 ID:uoXohu1B0

 一瞬眩暈かと思った。もしくは勘違いかと。
 前後不覚を覚えて、足元が微動して、不安定さがそこに確かにあって。

 微動はやがて鳴動へと変わっていって。
以下略



139: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:10:06.32 ID:uoXohu1B0

 と、不意に力が抜けた。扉がスライドして大きな音を立てる。開いたのだ。
 それは場にそぐわぬ幸運だったけれど、逆に怪しい。彩人の能力下で扉が開くということは、果たしてそれが不幸だという証ではないのか?
 それでも仕方がない。崩落に巻き込まれるわけにはいかない。破壊的な音を響かせている背後から脱出し、廊下で膝をつく。

以下略



140: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/04/20(日) 01:13:24.20 ID:uoXohu1B0

金髪「ったってよぉ!」

 俺様はとにかく逃げ回っていた。一定の距離を保ちながら、迫りくる不幸をなんとか避け、もしくは超回復でやり過ごし、生き延びている。
 近づけはしない。最初に近づいたときは廊下が水で濡れていて滑った。二度目は地震が起こって、三度目は蛍光灯が降ってきた。相手は何もしていないのに、だ!
以下略



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