26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/04/23(水) 18:56:34.41 ID:KjY5e/6Q0
004
拝啓、お母様お父様。
今更ですが、高校生の時分は学校に通わせてくれたにも拘らず、学業をさぼってしまい大変申し訳ございません。
就職してからも満足する額の仕送りも送れず、親不孝者で恥ずかしい限りです。
今日、僕は死ぬかも知れません。
しかも、痴情の縺れなんて最も望まない形で――。
「さて、裁判を始めましょう」
「待て! 待ってくれひたぎ!」
「判決、死刑」
「異例の早さだ!?」
ひたぎは驚く僕の姿を捉えるなり、一瞬にして迫ると押し倒し、眼球にシャープペンシルの先端を近付ける。
「手元が狂ったら危ないわ、動かないで」
「ハニー!」
「プロデューサー!」
「星井、四条、我那覇、構うな。これは僕の問題だ!」
駆け寄ろうとする三人を止める。
今のひたぎは、高校生時代、蟹に行き遭って荒んでいた頃の彼女と同じ眼をしている。
下手をしたら、かつて僕の頬をホチキスで綴じたように、三人にも手を出しかねない。
「ひたぎ、僕の話を聞いてくれ!」
「あら、あらあらあら、あらあらあらあらあら。
こんな状況になってまで情状酌量の余地があると、プロデューサーは仰るのね」
面白いから言って御覧なさい、とシャーペンを持った手を完全固定し、かちり、と芯を一ノック分出した。
まだ眼球までは幾分か余裕があるが、僕が失言する度に、もしくはひたぎの気に障る度にノックされるのだろう。
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