過去ログ - ことり「雉も鳴かずば撃たれまい」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/05/04(日) 03:41:44.68 ID:yZX4SREN0
「今すぐ試すなら、やっぱり穂乃果メソッドね」
「でも、抱きしめるだけで本当に何とかなるかしら」
「なるわよ。人間の心音って結構落ち着くのよ? 妹が泣いてる時はよく抱きしめるもの」
「あら、良いお姉ちゃんじゃないにこ」
「そうね。だから行きなさい絵里」
「え、私が!? な、なんで」
「なによ、愛しの穂乃果以外に体は許しませんって感じ?」
「べ、べつにそういうわけじゃ…何でにこはやらないのよ」
「サイズが違うわ」
「……あ、ごめん」
「謝んないでよ…ほら、行きなさい。あんたでだめならにこが試すわ」
「…わかったわ」
絵里は立ち上がり、大きく息を吸った。
希はずっと校庭を眺めていた。運動部はすでに撤収して、校庭には誰もいなかった。
絵里は逆効果にならなければいいと思いつつ、生気の無い希に話しかけた。
「ねぇ、希」
「んー……?」
ぐるん、と希は絵里の方を向いた。
底なしの昏い瞳に絵里は思わず叫びそうになった。
しかし深呼吸して落ち着いてみれば、どうも視線が合っていない。
希は、絵里の目よりもかなり低い位置を見ているように感じた。
「……希?」
「絵里、はやく!」
「きゃっ」
しかし彼女がどこを見ているのか気づく前に、絵里はにこに背中を押しだされた。
絵里はバランスを崩し、前に倒れ込んだ。体を支えるために、思わず希を抱きしめた。
希の顔が、絵里の胸に沈んだ。
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