過去ログ - ことり「雉も鳴かずば撃たれまい」
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37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/05/04(日) 04:55:05.51 ID:yZX4SREN0
それは砂漠に降り注いだ雨だった。
それはストリート・チルドレンに与えられたひとかけらのパンだった。
それは吹雪の中見つけた山小屋だった。
それは無課金に訪れたSR確定勧誘期間だった。
それはまさに恵みだった。
希の心は今、宇宙と一体となっていた。希は輪廻転生の向こうに乳があることを知った。
希の中に新たな星が生まれ、その爆発は体中を駆け巡り、目から一筋の涙となって頬の上を流れた。
その瞬間、希は記憶と肉体をそのままに、神から新しい命を授かったのだ。
「あっ…の、希! ごめんなさい、大丈夫?」
しかしここで、取り返しのつかない失敗が起きてしまう。
希を抱きしめて元気づける作戦は、そのままなら暫く経てば成功するはずだった。
宇宙に放たれた希が無意識を漂い、理性と出会うその時まで待つべきだったのだ。
しかし事故で倒れ込んでしまったのも事実だ。
だからこそ絵里は離れてしまった。そして絵里の声はもう希には届いていなかった。
飢えた獣に肉を与え、それをすぐ取り上げたらどうなるかわからない彼女ではない。
しかし、絵里はまさか自分がそんなことをしてまったなど、露とも思わなかった。
だから肉食獣が目の前で牙を剥いていることに、彼女は気付けなかったのだ。
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