1: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:53:01.89 ID:KFOoVKQP0
 
 午後からの収録のため、早めに家を出て早めに事務所に来る。 
 珍しく迷う事なく事務所に着いてしまったけれど、遅れてしまうよりはマシと思い、階段を上って扉を開いた。 
  
 「おはようございます〜」 
  
 中に入って開口一番に挨拶をする、業界人としては当然の事。 
 いえ、社会人としてかしら。 
 
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2: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:53:41.82 ID:KFOoVKQP0
  
 「おはようございますあずささん、随分と早いですね?」 
  
 出迎えてくれたのはプロデューサーさんだった。 
 随分と早いと言ったその言葉をそのまま返したい程に、彼も随分と早い出社。 
3: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:54:09.89 ID:KFOoVKQP0
  
 「ところで、どうしたんですか。収録、午後からですよね?」 
  
 時計を見ると現場入りする予定の時間までまだ4時間以上ある。 
 どうやら本当に早く着きすぎてしまったみたいね。 
4: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:54:54.67 ID:KFOoVKQP0
  
 今日のスタジオは車で30分程の距離の場所。 
 律子さんの事だから余裕を持って1時間前には出発するはずよね。 
 そうすると3時間ほど時間が余ってしまう。 
  
5: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:56:15.86 ID:KFOoVKQP0
  
 朝の、まだ動き出す前の静謐な街の空気や人の居ない事務所。 
 こうして普段見ない景色を見れたのはやはり、三文の徳なのかもしれない。 
  
 そんな事を考えていると、プロデューサーさんがコーヒーを淹れて持ってきてくれた。 
6: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:57:38.51 ID:KFOoVKQP0
  
 「ふぅ」 
  
 暖かいコーヒーにほっと一息吐いた。 
 ゆったりとした時間に、心が落ち着いていく。 
7: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:58:21.54 ID:KFOoVKQP0
  
 デスクに着いてノートパソコンとにらめっこする彼を、ソファーから眺める。 
 キーボードを打つ乾いた音が朝の静かな空気に溶けていき、耳に聞こえるその音がとても心地よかった。 
  
 ディスプレイを数分眺め、キーボードを打ち、コーヒーを啜る。 
8: ◆sIPDGEqLDE[saga]
2014/05/12(月) 00:59:24.51 ID:KFOoVKQP0
  
 時計を見ると、既に長針が1周する程時間が経っている。 
 そんなに眺めていたのかと自分の事ながら恥ずかしくなり、顔が火照るのがわかった。 
 プロデューサーさんはまだパソコンと向き合っている。 
 仕事の邪魔になってはいけないので声をかけたりはせず、ソファーから動いたりもしない。 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/12(月) 01:00:00.65 ID:zxbxz2fio
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