過去ログ - 傭兵「この世で金が一番大事」僧侶「じゃありません」
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11: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:02:59.05 ID:sWnNovzn0
※ ※ ※

騎士「ばかな……有り得ない……」

 がっくりと肩を落とし、地面にひざまずいた自意識肥大ナルシーおぼっちゃんは、俺に負けたことが依然信じられないようだった。愚か者め。
以下略



12: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:04:49.46 ID:sWnNovzn0

傭兵「おい」

騎士「話が違う、かい?」

以下略



13: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:05:28.97 ID:sWnNovzn0

僧侶「いいんですか?」

 素っ頓狂な声をあげる僧侶だった。あいつの手に銀貨が渡るのは、業腹だが赦そう。しかしあれを売り払われると困る。
 欲しいのはコネクションで、銀貨はその証左となる。この世は金が全てだが、後ろ盾のない金は危険に過ぎるからだ。まさかこんな辺鄙な酒場で僥倖が転がり込んでくるとは、と甘い期待は打ち砕かれたけれど、一度見てしまった銀貨を手放すのは、流石に惜しい。
以下略



14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:06:06.91 ID:sWnNovzn0

* * *

 お礼を言おうと振り向いたところ、あの騎士さんはいなくなっていました。周囲の人に聞けば、いつの間にか消えていたということで、私は忘我を悔やみます。このご恩はいつか返さないといけません。

以下略



15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:07:03.27 ID:sWnNovzn0

 床に直に腰を下ろした傭兵さんは、懐から羊皮紙を取り出しました。紐解けばそれはどうやら地図のようです。しかもかなり詳細な。これだけで余程の値段はするでしょう。

傭兵「まず契約の確認だ。俺はお前をラブレザッハまで連れて行く。いいな」

以下略



16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:07:58.51 ID:sWnNovzn0

 大きく息を吸って、吐きます。
 戦えるかと傭兵さんは尋ねました。自衛できるか、と。ならば答えはイエスです。

 かばんの中から重厚な鉄の塊を取り出しました。
以下略



17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:09:05.70 ID:sWnNovzn0

※ ※ ※

傭兵「はぁ? 使えない?」

以下略



18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:10:08.17 ID:sWnNovzn0

僧侶「縫製はできます。維持も充填も、自慢じゃないですけどアカデミーではトップでした。けど、放出がどうしてもできなくて」

 魔法の理論に詳しくない俺でも、縫製、維持、充填、放出の四項目くらいは聞いたことがあった。
 縫製――魔力を編みこんで特定の性質を与える。
以下略



19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:11:16.35 ID:sWnNovzn0

 なかなか面白いじゃないか、と素直に思った。
 マジックアイテムのワンオフ化だ。魔力を通せば誰でも固定の呪文が使えるあれらとは異なり、柔軟性を持たせてある。回復の際は回復呪文を、解毒の際は解毒呪文をそれぞれ装填した弾丸を撃ちだすのだろう。

 ……撃ちだす?
以下略



20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:12:00.01 ID:sWnNovzn0

 叫びださないのが奇跡だった。奇跡のような努力の賜物だった。
 ということはなんだ。つまりあれか。こいつは他人を治すとき、いちいち拳銃をぶっ放して、他人に弾痕を作らないといけないわけか。
 撃たれたところも結局治るからいいやと。

以下略



21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/05/13(火) 22:14:58.88 ID:sWnNovzn0

 大森林にすむエルフは決して人間に対して友好的ではないが、少なくとも敵対してはいない。彼らの技術力や資源は俺たちにとって必要不可欠で、人間側――特に隣接し直接取引をする俺たちの国は大々的にエルフへの援助を申し出ている。
 が、当然魔王軍がそれを許すはずはなかった。交易の要衝となる地点には砦が立てられ、人間側とのにらみ合いが続いている状態にある。

 砦の数や魔物の質は魔王領のある西域に近づくにつれて上昇する。残念なことに俺たちが現在いる地点はかなりの西寄りだった。覚悟を決めなければ。
以下略



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