11:1[saga]
2014/05/22(木) 22:11:26.00 ID:pK/vwF7w0
座席越しに抱きついてくる亜美。 首を引っ張られて、必然的に座席のヘッドレストに頭を打ち付ける。
実際クッションである事に変わりは無いので、それほどの衝撃は無いが、
運転中の人間を慌てさせるには十分だった。
P「ぐおっ、やめろ危ないだろ!!」
12:1[saga]
2014/05/22(木) 22:12:02.84 ID:pK/vwF7w0
P「…………ホントだな。 ガス欠か? けどランプは光ってないぞ」
給油ランプを見てみても点灯しているようには見えない。
ガソリンメーターもまだ項垂れておらず、エンプティを指すには余裕があった。
13:1[saga]
2014/05/22(木) 22:12:37.66 ID:pK/vwF7w0
車のナビを起動して、「がそ」まで打った所で候補に出てきた単語をタップする。
が、最寄のガソリンスタンドまであと30kmはあった。
どんな近道を通ろうが、既にガス欠の前兆が訪れているこの車では辿り着くことは不可能だろう。
P「……………………終わった」
14:1[saga]
2014/05/22(木) 22:13:13.76 ID:pK/vwF7w0
亜美用に新たに書き込んだスケジュール帳と、時計を見合わせて、
あとどれだけの時間の猶予があるかを割り出した。
何度確かめても、数時間の余裕はある。 心配する必要も無いだろう。
15:1[saga]
2014/05/22(木) 22:13:53.57 ID:pK/vwF7w0
真美「砂浜あるっぽいよ。 海行けるかも」
亜美「マジで!? ……ホントだー!!」
P「……はい、はい。 お願いします。 すいませんホント、はい失礼します」
16:1[saga]
2014/05/22(木) 22:15:28.48 ID:pK/vwF7w0
真美に頭を持たれ強制的に向きを変えさせられる。
確かに目の前には砂浜があった。 まだ海に入るには早いのか、観光客は殆ど居ない。
ここにある駐車スペースは、夏に来る観光客の為に設置されたものなのだろう。
P「本当だな。 ……それが、どうかしたか?」
17:1[saga]
2014/05/22(木) 22:16:05.98 ID:pK/vwF7w0
・ ・ ・ ・ ・
亜美「うひー! ちべたい!!」
18:1[saga]
2014/05/22(木) 22:16:31.42 ID:pK/vwF7w0
反撃を仕掛けてやりたいが、今のお互いに着替えは無く、
下手に海水を衣服に付着させてしまったら着替えを取りに行くロスタイムが生じる。
そうなったらいよいよ間に合うかどうか解らなくなってくる。
真美「…………んっふっふ、覚悟するのだ兄ちゃん」
19:1[saga]
2014/05/22(木) 22:17:03.98 ID:pK/vwF7w0
・ ・ ・ ・ ・
三十分ほどそのままのテンションで騒いで、一方的に海水を浴びせられた後、
砂浜で三人して海を眺めながら山も落ちも無い、他愛無い会話を繰り広げていた。
20:1[saga]
2014/05/22(木) 22:17:32.49 ID:pK/vwF7w0
P「それを言うならロード……。 ……合ってるな」
亜美「んふ、だしょー」
P「……取りあえず車に戻るか?」
21:1[saga]
2014/05/22(木) 22:17:58.91 ID:pK/vwF7w0
亜美「…………っ、うっぷぷ!!」
P「んぁ? どうした?」
亜美の笑い声が聞こえ、振り向くと口を抑えて笑いをこらえる亜美と、
22:1[saga]
2014/05/22(木) 22:18:33.98 ID:pK/vwF7w0
亜美「そうだよ。 真美と一緒にこんな家以外で遊んだのも久しぶり」
真美「……そう、だね」
亜美「また来たいなぁ。 でも……、忙しいからダメかな……」
23:1[saga]
2014/05/22(木) 22:19:09.13 ID:pK/vwF7w0
根拠は無い。 なんでそう言い出したかも解らない。
ただ、海のさざめきを聞きながら寂しそうに佇む少女が放っとけなかった。
本当に休みが取れるか解らない。 これからどんな仕事が入ってくるかも解らない。
けれど、この年端も行かぬ彼女達の愛情を妨げるものを少しでも排除してあげたい。
24:1[saga]
2014/05/22(木) 22:19:41.08 ID:pK/vwF7w0
真美「……兄ちゃん、ホントに出来んの?」
P「大丈夫だ、ちゃんと善処するよ」
真美「…………ありがとね、兄ちゃん。 真美たちの為に、嘘まで吐かせちゃってさ」
25:1[saga]
2014/05/22(木) 22:20:14.27 ID:pK/vwF7w0
亜美「おぉーーい!!! 何してんの、早く行こうよーーっ!!!」
真美の言葉を遮るように、亜美の声が高らかに響いた。
亜美の方へと目を向けると、もう砂浜があるエリアから足を出していた。
そんな遠い距離からでも声が届くのは、やはり律子の指導の元によるレッスンの賜物だろうか。
26:1[saga]
2014/05/22(木) 22:20:40.81 ID:pK/vwF7w0
亜美「ほーーらーーー!!!! はーやーくーーー!!!」
真美「亜美も呼んでる!! 行こう、兄ちゃんっ!!!」
そう言って差し伸べられた手を取ると、真美はにっこりと笑って駆け出した。
27:1[saga]
2014/05/22(木) 22:21:14.22 ID:pK/vwF7w0
亜美「ほーーらーーー!!!! はーやーくーーー!!!」
真美「亜美も呼んでる!! 行こう、兄ちゃんっ!!!」
そう言って差し伸べられた手を取ると、真美はにっこりと笑って駆け出した。
28:1[saga]
2014/05/22(木) 22:21:40.72 ID:pK/vwF7w0
含み笑いをやめない真美の肩を揺らしながら答えを求める亜美の姿がおかしくて、
我慢出来ずに少しだけ笑みをこぼしてしまう。
P「…………っははは!」
29:1[saga]
2014/05/22(木) 22:22:57.37 ID:pK/vwF7w0
終わりです。 ここまで読んでくださりどうも有難う御座います。
亜美、真美、お誕生日本当におめでとう!!!
OFAやってくる
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/05/22(木) 22:23:34.68 ID:o6wGijobo
おつおつ
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/05/22(木) 22:35:54.40 ID:fQUT5SXw0
乙!
亜美真美誕生日おめでとう!!
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