過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
↓
1-
覧
板
20
999
:
黒猫
◆7XSzFA40w.
[saga]
2015/09/10(木) 02:22:10.45 ID:jH3eRuI/0
陽乃さんに避けられていると。
いくら院の方の勉強や手伝いで忙しいといっても、俺達の送り迎えを遠慮する理由にはならない。
俺と雪乃は別に時間に縛られてはいない。大学の講義には出なくてはいけないが、
それ以外は自由だ。大学で自習していようと、自宅で自習していようと、
勉強する場所さえ確保できればどこであってもできるのだ。
だから、朝の出発時間が早くなろうと、帰りの時間が遅くなろうと、俺達は陽乃さんの予定
に全てあわせられてしまう。そういう事情があるから、本来陽乃さんは俺達に言うべき
言葉は、先に行っていいではなく、送迎の時間を変更してほしいであるべきだ。
俺はいつ、選択を間違えてしまったのだろうか?
どの時点から陽乃さんは俺から顔を背けてしまっていたのだろうか?
俺はなにをやらかしてしまったのだろうか?
わからない。俺も雪乃も特筆すべき行動なんてしてこなかったはずだ。
いつものように陽乃さんと一緒にいて、いつものように陽乃さんにちゃかされて、
いつものように陽乃さんと笑って、いつものように食事をして。
いつものように、いつものように…………三人一緒にいた。
そう、なにも変わらない日常だと思っていた。
だからこそ俺は気が付けない。
だからこそ雪乃は安心できていた。
だからこそ俺達は鈍感過ぎてしまった。
俺と雪乃が笑いあい、じゃれ合っている姿を、誰よりもそばで見ていたのは
陽乃さんであり、誰よりも傷ついていたのは陽乃さんだったのだから。
だから俺は、陽乃さんに無神経でいる事ができてしまった。
雪乃「今日も姉さんお昼こなかったわね」
八幡「院の方が忙しいんだろ?」
雪乃「今日も先に帰っていいそうよ。姉さんはハイヤーで帰るみたいね」
八幡「しょうがないんじゃないか?」
放課後。三人ではなく二人で歩くキャンパスは、
どこか殺風景で、遠くの方から聞こえてくる笑い声が耳触りに感じてしまう。
いつもなら俺達の方が雑音を撒き散らす方であるのに身勝手な感想ではあるのだが、
人とは身勝手すぎる生き物のようだ。
雪乃「本当にそう思っているのかしら?」
俺の顔を下から覗きこむ瞳に、俺は脚を止めてしまう。雪乃もすぐさま脚を止め、
俺の方に振り替えると、さらに俺に詰めより俺を逃がさない。
八幡「わぁったよ。……思ってない。嘘だと思ってる。いや、嘘ではないか。たぶん何かしら
用事を見つけてきてはいるんだろうよ。嘘をつくにしても、その嘘を本当にする人だからな」
雪乃「ええ、八幡の言う通りだったわ」
八幡「調べてきたのかよ?」
雪乃「人聞きが悪いわね。ちょっと見学に行っただけよ」
陽乃さんのテリトリーに見学なんて行ったことなんてあったかよ……、とは言わない。
今は冗談や軽口さえ言えない状態であった。
それほど陽乃さんを追い詰めてしまった事に、俺達は気がつくのがおくれてしまっているから。
八幡「それでどうだったんだ?」
雪乃「一応橘教授の手伝いをしているそうよ」
八幡「担当教授ではないよな? そもそも学部が違うし」
雪乃「そうだけれど、姉さんの研究テーマと重なる所があるのよ。それに、姉さんは橘教授と
仲がいいみたいだから色々と指導を受けてもいるみたいよ」
八幡「その辺の事情はよくわからないが、事実としてはそうなんだろうな」
雪乃「そうね……」
俺の反応に雪乃は冷たい。俺も俺自身の反応に冷たさを感じているので、
雪乃が俺にきつく当たってくる理由がよくわかる。
だけど俺は雪乃の彼氏であって陽乃さんの彼氏ではない。いくら雪乃の姉であっても、
無神経に踏み込んでいいのだろうか?
…………いまさらか。いままでの陽乃さんとの関係が彼氏と彼女の姉の関係だけとは
到底思えない。陽乃さんの好意を突き離さないように延命処置をしてきたつけが
今になって訪れたとも言える。
八幡「……なんだよ?」
雪乃「なんでもないとはいわないわ」
八幡「だったらはっきり言ったらどうだ」
雪乃「私の口から言って欲しいのかしら?」
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/1496.81 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている ) -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1401353149/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice