過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/07(火) 19:33:50.86 ID:6o+8Z5aP0
生徒「……知ってるんだぞ、オレは」

知ってるんだ、と生徒は執拗に何度も繰り返す。教師の口から訊き出させたくて仕方がない、という貌は、獲物をいたぶる喜びに満ちている。

教師が硬い声で、何を、と訊くと、生徒は勝ち誇ったように傲然と顔を振り上げた。

生徒「オマエ、ハブられたんだって?」

意味を一瞬計りかねた教師に、生徒は喜々とした様子で続ける。

生徒「イイトコ見せようと息巻いて、結局何にもできないようにされるとかミジメすぎんだろ。そんで余所にその役目奪われるって……。なあ、取り入ろうと必死に考えた計画が横取りされるキモチってどんなの? 教えてくれよ、コーガクのために、ってやつで」

なあ、と生徒は口角を釣り上げて笑う。満面に湛えるそれは、まるで勝者の笑みだった。

生徒の語った内容には“誰に”という要素が抜けているが、その空欄に誰の名前が入るかは、生徒や教師のみならず、このクラス全員にも明らかだった。
そもそも、“彼女”はめったに話題に上らない。それは、名前を呼ぶのもおこがましいからだし、あるいは自分の知る情報を、他の誰にも知られずに独占したいからでもある。

ほかでもなく、あの少女である。

だが本来、一介の生徒が学校の裏事情を知りえるはずがない。わざわざ教えてやる意味も必要もなく、それどころか有害ですらある。

ならば教員の立ち話でも耳にしたのか、とも考えられるが、それにしては妙に確信的なのが解せない。教室の中に座る面々を見渡しても、突然の生徒の奇行に驚いている様子はない。むしろ余興を楽しむように互いに目を交わし合い、ひそひそと笑っている。

生徒の様子は確かな情報源の存在を感じさせるが、そんなはずはない。何も利益を生み出さず、教師と生徒たちの間に修復不可能な亀裂を生むだけの行為に何の意味がある。

教師(――本当にそうか?)

天啓のように降りてきた言葉、その意味するところを考えて愕然とした。



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