過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:27:58.74 ID:pGgsnQdi0
その時教師は、担任するクラスの教室で教科書の読み合わせをしている最中だった。これは授業の一環というよりは生徒に退屈する隙を与えないための措置である。
教師が授業を受け持つクラスのうち、教師の担任するクラス――彼女のいるクラスは他と際立って生徒の意欲が乏しい。しかし別の先生の話では、教師以外の手による授業は問題がないという。

これも彼女関係か、と憂鬱になる。どこまでも教師にとって少女の存在は鬼門であるらしかった。
それとも、教師は全ての不都合を彼女のせいにして責任逃れをしているのだろうか。

教師(そうだったらどんなにいいか……)

教師に責任があるなら改善のしようがあるのだから。
とはいえ今さら他人に任せることもできない。そもそも配置転換を要請しても、なんのかのと理由をつけて却下されるのが落ちだろう。
だから、このクラスに関わる限り、教師は特別慎重に授業運営にあたっていた。生徒の側も、教師を完全に無視するというわけではなく、指示をすれば渋々ながら従ってくれるのだから、まだ最悪の状況というわけではない。

そう自分を納得させながら、さてそろそろ本題に入っていこうかと考えていると、突然教室の扉がノックされた。
時計を確認するが、まだ授業開始から三十分も経っていない。この時間に授業を中断させなければならない用事はなかったはずで、不審に思いつつも引き戸を開ける。

ノックの主は事務員だった。怪訝な表情を隠さずに用件を訊く。
事務員はひどく動揺しているようで説明は要領を得なかったが、どうやら誰か生徒の親が来訪しているらしかった。しかも極度の興奮状態だという。

そうなったか、と教師は落胆を隠せなかった。事務員はわざわざこのクラスの担任である教師に伝えてきたのだ。来訪者の正体は容易に想像がついた。

しかし目の前の事務員は明らかに平静を欠いている。訪れた親の名前を、その子供がいるだろうクラスの目の前で言わないという配慮ができるようには見えなかったので、教師は事務員の話を遮って職員室に行こうと手で促した。



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