過去ログ - 姉「でも、自分がいる場所を失ってしまうこともあるかもしれない」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/14(土) 21:41:43.80 ID:izjnFaTMo

一度両親に「姉ちゃんに何度も殴られている」と言ってみたことがあった。
両親は姉ちゃんを呼び、「どうしてそんなことするの?」とやさしく問いただした。

「ちょっと苛々してて、つい」と姉ちゃんは言った。「ごめんね」と俺に向かって言った。

「誰にだってそういうことはあるわよ。だから、ろんちゃんも
ちょっとくらいは我慢してね。男の子でしょ?」と母さんは言った。

父さんに至っては無言だった。

俺はうなずくしかなかった。両親に期待した俺がばかだったのだ。

そのつぎの日からも姉ちゃんは俺の部屋に来て、何かにとり憑かれたみたいに俺を殴打した。
ときどき金切り声を上げたり、半ば泣き叫んでいるような声を上げながらこぶしを振るった。
それがとてつもなくおそろしいものに見えた日もあった。

だから俺はサンドバッグみたいに殴られて、
車に撥ねられた猫みたいに床にうずくまった。
痛かったけれども、べつに悲しくも悔しくもなかった。

姉ちゃんが俺の部屋に現れる頻度は徐々に増していき、
最近はほとんど毎日来るようになっていた。
日を追うごとに暴力の度合いはエスカレートしてきている。
まるで俺を痛めつけることが義務であるかのようだった

でも俺にできることは何もない。
両親は姉ちゃんの暴力を黙認しているし、俺が苦しむことで苦しむ人は俺だけしかいない。
そして何と言っても姉ちゃんは家族の希望であり、崇拝すべき偶像のような存在だった。



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