過去ログ - 姉「でも、自分がいる場所を失ってしまうこともあるかもしれない」
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2014/06/14(土) 21:42:53.29 ID:izjnFaTMo
「それにしても江良さん、かわいいよなあ」と亜十羅は言った。「俺も絆創膏がほしいよ」
江良さんがかわいいことには概ね同意見だが、俺は黙っていた。
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2014/06/14(土) 21:43:52.62 ID:izjnFaTMo
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駅の前で亜十羅と別れてから、俺は駅前をぶらぶらと歩いた。
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2014/06/14(土) 21:44:50.76 ID:izjnFaTMo
「ひさしぶり」ユメちゃんはそう言って象から下り、俺の方に歩いてきた。
「めずらしいね? どうしたの?」
「なんとなくね」と俺は言う。
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2014/06/14(土) 21:45:48.25 ID:izjnFaTMo
明日来と有栖がボールを持ってくるまでは暇なので、
俺はベンチに腰掛けて、買ってきた本を読んでみることにした。
姉ちゃんはちいさな頃からよく本を読んでいたが、
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2014/06/14(土) 21:47:24.28 ID:izjnFaTMo
俺は買ってきた本をてきとうに捲る。
黄ばんだ紙にはびっしりと文字が整列していて、見ただけでくらくらとしてしまう。
けっきょく三ページほど読んでから栞をはさんで、鞄にしまった。
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2014/06/14(土) 21:48:27.85 ID:izjnFaTMo
「ろんちゃんとミヤちゃんは、友だちなの?」とユメちゃんが首をかしげる。
「ミヤちゃん?」
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14
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2014/06/14(土) 21:50:03.31 ID:izjnFaTMo
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ユメちゃんは泥まみれになった明日来と有栖を連れて帰っていった。
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2014/06/14(土) 21:50:55.14 ID:izjnFaTMo
「嘘じゃないって、あの三人に訊いてみてよ。
わたしは嘘をつかないことで有名なんだよ」
「嘘をつかないことで有名っていうのが嘘だったりするんじゃないの?」
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2014/06/14(土) 21:53:09.64 ID:izjnFaTMo
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うちはどこにでもあるサイディング張りの一軒家だった。
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2014/06/14(土) 21:54:29.88 ID:ePOPKBq4o
うわつまんね
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2014/06/14(土) 21:54:47.07 ID:izjnFaTMo
姉ちゃんがいなくなるのは結構なことだが、
姉ちゃんのいない食卓はいつもぎすぎすとしていた。
たとえば、母さんが半ば義務を遂行するかのように、俺へ質問をぶつける。
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