12:唯「すなっふふぃるむ!」[sage saga]
2014/06/26(木) 22:29:35.47 ID:ToFZjpJj0
唯「ぶはっ! おえぇ! うえええええっ!」ビチャビチャ
男は嘔吐を続ける唯の身体を乱暴に突き飛ばした。
唯「げほっ、げほっ…… うぅ…… 食べた…… 私、和ちゃんを食べた…… 食べちゃった……
どうしよう、食べちゃった…… 和ちゃ――」
しかし、唯は意外なほど素早く起き上がると和の方を見つめた。見つめるその瞳には尋常ではない
光を宿らせていたが。
唯「和ちゃん…… ごめんね、吐き出しちゃって…… わ、私…… ちゃんと食べるから……
今、助けてあげるね……」
フラフラと和の元へ辿り着くとしゃがみ込み、転がっている大腸の前に顔を伏せた。
掴み上げることを諦めた唯は、まるで犬が餌を食うように、両手で大腸を床に押さえて
かじりついた。
唯「あぐっ…… はぐ、ぐぐ……」
大腸は弾性が強くなかなか歯が通らない。唯は焦りながら遮二無二歯を立て続ける。
ただ一心不乱に和の大腸にかじりつく。
唯「あぐぐぐ…… うぐっ、ぐっ……」
そうしているうちに唯の犬歯がついに腸壁を突き破った。
その破れ目からは次々と糞便が漏れ出し、唯の口中は刺激の強い苦味でいっぱいになっていく。
唯「う、うげっ…… はぐ…… むぐむぐ…… んぐっ……」
唯は込み上げてくる吐き気と闘いながらも懸命に大腸を喰い千切り、糞便と共に咀嚼し嚥下する。
しかし、そこで唯の肩が叩かれた。
唯「へ……?」
血と糞便で口の周りを汚した唯は顔を上げた。
男はクイックイッと親指である方向を指している。
指された方向へ移した視線の先には、ピクリとも動かない血の気の失せた白い顔があった。
唯「和、ちゃん……? 和ちゃん、和ちゃん……」
和の名前を呟きながら、唯はその肩を何度も揺り動かした。
唯「和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん、和ちゃん、和…… ちゃん……」
だが、いくら名前を呼ぼうと身体を揺らそうと返事は無い。
呼吸することを止めた和は乾いた瞳を天井に向け、血と臓物と糞便を晒しているだけである。
唯「う、嘘つき……」
唯は涙で潤んだ目で男を睨みつけると、彼の方へフラフラと近づいた。
唯「嘘つき! 嘘つき! 助けてくれるって言ったのに! 嘘つき! 和ちゃんを返して!
返してよぉ!」
そして、男を罵りながら、彼の身体をポカポカと叩く。
そんな唯の攻撃など意に介さず、男は拳銃の台尻で唯の頭部を殴りつけた。
唯「ぎゃっ!」バタッ
短い悲鳴を上げ、床に倒れる唯。両手で頭を押さえて動けずにいる。
その様子を見ていた男はまたも画面の外へと消えていってしまった。
画面は床の上で身体を丸めてすすり泣く唯を映し続けている。
映像に動きが無いまま数分ほど経過した後、どこからか犬の吠える声が聞こえてきた。
それはどんどん音量を増してこちらへ近づいてくるようだった。
吠え声が最高潮にまで高まった中、男はとんでもないものを押しながら戻ってきた。
小さな部屋と言っていい広さの、頑丈そうなケージ。
その中では二匹の大型犬が、血の臭いに反応しているのか、ひどく興奮した状態で唯や男に
向かって吠えたてている。
男がケージのキャスターにブレーキを掛け、扉を開けると、犬達は素早く襲いかかろうとしたが、
短めのリードがその突進を阻む。
男は幾分余裕のある動きで準備を整え、唯の前に戻ってきた。
唯「あ、あ……」ガクガク
すでに顔を上げていた唯はケージを見つめて震えている。
一人残された自分。扉を開けられた広いケージ。狂暴な犬。男。
自身の置かれた状況がごく近い未来を想像させたのか、男から逃れようと後ずさりを始める。
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